暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第三十五話
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
e Damascus》の意図が分からない行動に、前進すべきか後退すべきか一瞬悩んだ間に、《The Damascus》はリディアから奪ったチャクラムを両手で回し始めた。

 あたかも、先程のリディアのように。

「……ッ!」

 リディアと全く同じ行動をした、《The Damascus》から放たれた―どうやら、あのボスモンスターは猿真似が出来るようだ――高速のチャクラムに、なんとか一個は斬り払ったものの、残り一個のチャクラムに片足を切り裂かれる。

「ショウキ! ……キャッ!」

 直線軌道を駆け抜けていったため、チャクラムは俺の背後にいたアリシャをも襲った。
どうやら、アリシャはかするだけですんだようだが、俺は少し深く足をやられてしまい、ポーションを口に含みながら《The Damascus》に戻っていくチャクラムを切り裂いた……リディアには悪いが。

 いい加減前衛が俺一人というのは荷が重いと考え始めた直後、思いが通じたのか《The Damascus》の側面から真紅の大剣と真紅の閃光が飛び込んできた。

「さっきは良くもやりやがったなこの鳥腕野郎ッ!」

 もちろん、飛び込んできた真紅の大剣と真紅の閃光はクラウドの使用する大剣とクラウド自身であり、完璧な不意打ちであったが、俺の日本刀《旋風》とリディアのチャクラムと同じように強靭な翼手によって弾かれてしまった。

「クラウドはそのまま攻撃して! ショウキはその逆側の腕に!」

 飛んできたアリシャの指示に対して、そんなことをしても《The Damascus》の翼手には効かない……と反論しようしたものの、即座に我らがリーダーの指示の意図を悟った為に、文句一つ言わずにただただクラウドとは逆側の翼手に対して斬り込んだ。

「バカか、見るからに効かねぇじゃねぇ「いいからやる!」……チィ!」


 ……クラウドは文句を言いつつも、最終的にはアリシャの指示に従って《The Damascus》の翼手に大剣を斬りつけた……というより、叩きつけた。
それと同時に、俺の日本刀《旋風》の斬撃が逆側の翼手を捉えたものの、俺の攻撃もクラウドの攻撃も、《The Damascus》にはまるで堪えた様子がなかった。

 だが、二方向からの攻撃に対して両手の翼手を使った為に、今の《The Damascus》は胴体部分ががら空きとなった……そこに、両手矛を片手で操る眼帯の青年が《The Damascus》の懐に飛び込んだ。

「……!」

 無口で無愛想だが、自分がやるべき仕事に対してのヘルマンの能率は、ギルド《COLORS》の中でもダントツで一位だ。
普段から目立とうとはしないが、本来はその名の通り両手用の装備である両手用を片手で扱える時点で、とてつもない筋力値の高さをうかがえる。

 かくし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ