第三十五話
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った。
問題点としては、あまりにも縦横無尽すぎて、前衛であるはずの俺が上手く位置どりが出来ないのだが、その分起動は蛇のように曲がって予測不能。
「……ここだな」
もちろん俺とて前衛の仕事をやらなくて良いはずがなく、二つのチャクラムと同時に日本刀《旋風》を、《The Damascus》の身体のなかでまだ柔らかそうな心臓部分に突き刺そうとした。
「なッ!?」
結果的にはチャクラムとの同時攻撃は失敗に終わる。
二つのチャクラムに対して《The Damascus》がとった行動は、受け止めること……言うなれば、真剣白刃どりだった。
チャクラム相手にそんなことが出来る芸当も見事だが、何よりも俺が驚いたのは、チャクラムを使って俺の日本刀《旋風》による攻撃を止めたこと。
《The Damascus》は、二つのチャクラムを使ってメリケンサックをつけたような状態になり、俺の攻撃を受け止めたのだ。
「嘘ぉ!?」
「ええい!」
背後のアリシャと全く同じ感想だったために同じ声をあげたかったが、チャクラム型メリケンサックを操る《The Damascus》を相手にしている俺にそんな暇は無かった。
……大丈夫だ、相手は最前線のフロアボスモンスターではなく、ボスモンスターといえどもたかが第十九層の隠しボスモンスターなのだから。
それに、俺がここで負ければ武器が無いアリシャと武器を失ったリディアが《The Damascus》に襲われることとなる……そんなことをさせるわけにはいかない。
「せぇいっ!」
《The Damascus》によるチャクラム型メリケンサックの連撃が止んだ隙を狙い、日本刀《旋風》によって人型である以上最優先に狙うべき目標である翼手部分を斬りつけた。
……だが、駄目……!
《The Damascus》の強靭な翼手には、日本刀《旋風》の攻撃は通じないどころか、攻撃した俺の手がむしろ痺れてしまう始末だった。
「リディアさん、早くショウキの援護っ!」
「了解〜」
リディアがアイテムストレージから予備のチャクラムを取りだし、両手でぐるぐると回し始め、その回転は徐々に早くなっていき、そのままリディアの両手から解き放たれた。
俺が前衛にいるために先程と違って縦横無尽に駆け巡っていかず、直線軌道を高速で駆け抜けていった。
《The Damascus》はその軌道を見切れず、チャクラムは翼手に直撃するものの……切れ味ならば他の武器の追随を許さない日本刀が弾かれたのだ、チャクラムでは傷を与えられ無かった。
そして、リディアの投げたチャクラムは持ち主の元へ戻っていき、《The Damascus》は俺を斬り結んでいた放置してバックステップによって距離をとった。
《Th
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