第番外話
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とある日の早朝、まだ店として開いていないリズの家でコーヒーを飲みつつ、とあるプリントを眺めていた。
本来自分は日本茶派だが、リズに勧められて彼女のコーヒーを飲んでみたところなかなかどうして美味しく、リズの家でコーヒーを飲むことが最近のマイブームになりつつある。
今度、アスナから材料を聞いて、少し上げている料理スキルで作って見ても良いかもしれない……と、話がズレたな。
俺が今眺めているプリントは、今、アインクラッド中に流れている噂の中心となっているモノだ。
「何見てるの……って、コレって噂のアレじゃない?」
開店準備が完了し、あとは始業時間が来るのを待つのみとなった、この《リズベット武具店》の店長、リズが後ろから俺が眺めていたプリントを覗き見る。
「ああ、あのヒースクリフからのクエストさ」
コーヒーを近くの机に置いておき、リズにも見えるようにプリントを開く。
【十一月二十五日、第七十五層主街区《コリニア》の円形競技場においてバトル・ロワイアルを開催する。第三位までの賞品・賞金あり、詳細及び申し込みは血盟騎士団本部まで。締め切りは十一月二十日。諸君の健闘を祈る Heathcliff】
……といった内容の、クエスト依頼がアインクラッド中に張り出されたのは、もう一週間ほど前になるか。
プレイヤーからの依頼、というのは、傭兵をやっている自分からしてみればあまり珍しくは無いものの、あのアインクラッド最強と名高い《聖騎士》ヒースクリフからの依頼となると、アインクラッド中の噂となるのも当然と言えよう。
『優勝したら《神聖剣》のスキルを教えてもらえる』
『血盟騎士団に入団させられる』
『ヒースクリフは実は黒幕で、集まった人は皆殺しにされる』
『90層にワープさせられる』
……などなどの噂が、まことしやかに囁かれている……一部はツッコミさえ忘れたくなるような内容だが。
「この前のお客さんも、なんか出るって張りきってたわねぇ……ショウキは出るの? あんたなら結構、良いところまでいくんじゃない?」
メニューを操作してアスナおすすめの新作エプロンドレスを着け、近くの机にあったコーヒーを飲みつつリズが聞いてくる。
「ああ、出るつもりさ……てかリズ、そのコーヒー俺が飲んでた奴」
コーヒーを横取りしたリズに対し、俺が飲んでたのに、と若干恨みがましい目線を向けてみたところ、数秒後にリズは顔を真っ赤にし、コーヒーを机の上に置いて咳き込み始めた。
「……いきなり大丈夫か?」
フルダイブ空間である、この浮遊城アインクラッドで効くかは分からないが、とりあえずリズの背中をさすっておく。
「だ、だってあんた、間接とはいえキ、キキキキキ……」
最初はあまり落ち着いておらずに同じ
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