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SAO−銀ノ月−
第番外話
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はあり得る。

 ……なるほど、なんら変なところはなく、奇をてらっていないただのバトルロイヤルと言ったところか。

 SAOのデュエルにはバトルロイヤルなんてものは無かったと思うが、あのマニュアルを全文暗記しているアスナに、もはや開発書まで暗記していると言っても過言ではないヒースクリフがいるギルドだ、何かしらあるのかもしれん……というか、あるから開いてるんだろうしな。

 転移結晶と回復結晶をリズに預ければ、あとはいつもの装備で全く構わないだろう……ああ、ちょっとポーションは買っとくか。

「本当にただのバトルロイヤルね……回復結晶と転移結晶はあたしが預かっておいてあげるけど、対戦相手ってどんな人たち?」

 背後からザッと目を通したリズが、だいたい俺と同じ感想であったことが少しおかしくてクスリと笑いつつ、アイテムストレージから新しいプリントを取りだした。

  《対戦表》
 Aブロック:アイリア/ジンガ/コーバッツ
 Bブロック:ホーク/エギル/ユカ
 Cブロック:マルバ/ミズキ/クライン
 Dブロック:キリト/ショウキ/イツキ


 ……前出の通りA〜Dブロックに別れた、各四人で形成されたグループだった。

「手の内まで知ってるのは……Bのエギル、Cのクライン、俺と同じDのキリト、ってとこか」

 それ以外は全く知らないか、あまり知らない人物に分けられる。
Bブロックの《ホーク》という名前は一度アルゴから聞いたことがあったが、深く訊こうと思ったのだが、その時には既にアルゴは指を二本立ててきていたために、金を払ってまで知りたくはない、と諦めたことを覚えている。

「あ、マルバ出るんだ」

「……マルバ?」

 リズのふとした呟きに、ついついオウム返しで返してしまう。
Cブロックに出ている、《マルバ》という名前のプレイヤーと知り合いなのだろうか。

「ああ、ウチのお得意さんなのよ」

 リズが指すウチということなのだから、この鍛冶屋である《リズベット武具店》のお得意さん、ということか……武器種などを聞くのは公平さに欠けるから止めておこう。

 それより問題なのは、俺と同じDブロックに名前を連ねている《キリト》の存在だった。
キリトなら出て来るかも、などと考えてはいたが、まさか初戦にあたるとは思っても見なかった。

「なあに、これぐらいの番狂わせがないと面白くないか」

「ふふ、当日は応援ぐらい行ってあげるから、あんたも頑張りなさいよね!」

「任せろ、リズの応援があれば優勝確実さ」

 リズからの、軽口ながらもしっかりとした彼女らしい激励の言葉と肩たたきに、こちらも軽口の応酬で返していく。
……もちろん、やるからには当然だがバトルロイヤルの優勝を目指すつもりをではあ
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