ちいさなしまのおはなし
太陽の咆哮
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へへーって笑顔全開の賢に、つられて笑う大輔とヒカリ。
よく分かんないけど、パートナー達が嬉しそう、ってブイモン達もニコニコしていた。
「君達、自己紹介もいいけど、早くおいで。置いてかれるよ」
自己紹介が終わったタイミングを見計らって話しかけてきたのは、賢の兄・治である。
弟と同い年の子達との交流を邪魔したくなかったのだろう。
先に行ったと思っていたのだが、殿を歩くつもりだったようで、賢達の会話が終わるのを待っていたようだ。
「ああ、すみません!みんな、行こうぜ!」
「ああ、待ってよ、大輔くん!」
「走んないでー!」
『ダイスケェ!置いてかないでよぉ!』
『ヒカリィ!』
『うわーん、待ってぇ!』
「……フフフ」
元気だなぁって治は苦笑しながらも、暖かい眼差しを弟達に向けながら、ガブモンを伴って歩き出した。
穏やかに流れる川に乗って、ゴマモンが泳いでいる。
見た目通りの海洋生物であるゴマモンは、陸を歩くのに適した身体ではない。
抱っこしてやろうか、って警戒心を解きつつある丈が申し出てくれたけれど、ゴマモンは泳ぎたいらしく、川のないところでお願いしていい?って断った。
快く引き受けてくれた丈に笑顔を返し、ゴマモンは川に飛び込んだ。
気持ちいいかーって大輔が尋ねたら、ダイスケも泳ぐ?って返ってきたので遠慮しておいた。
さっき川に落ちたばっかで、ようやく服が乾いたところなのに、またびしょぬれになるのはごめんである。
「ねぇねぇ、ヒカリちゃんて太一さんの妹なの?」
上級生達がここは何処なのか、デジタルモンスターとは何なのかっていう議論をしている間、賢は早速友達になったばかりのヒカリに話しかける。
「うん、そうだよ。太一は私のお兄ちゃん。」
「そうなんだー。苗字が一緒ってことは、パパとママはリコンしてないんだよね?いいなー、お兄ちゃんとずっと一緒にいられて」
「……治さん、リコンしたって言ってたけど」
リコン、が何なのかはよく分かってはいないが、それでもデリケートな話題であることは大輔にも分かった。
あの太一がちょっと気まずそうに治と賢を見ていたし、あまり触れてはならぬ話題であることは明白だった。
しかし当の本人である賢は、苦笑いを浮かべてはいるものの、こちらの気まずさなど気にしている素振りを全く見せない。
「うん、リコンしちゃったんだぁ、パパとママ。僕がまだもっと小さかった時に」
「……それで、別々に暮らしてるの?」
お台場小学校の中で、1番仲のいい兄弟姉妹は誰だと生徒に聞けば、間違いなく誰もが八神兄妹だと答えるだろう。
猪突猛進を体現していて、気に食わなければ上級生や先生にだって平気で食ってかかるサッカー部のキャプテン・
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