第二百六十一話
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第二百六十一話 傷むもの
亜美は自分の眉を触りつつ母に話した。
「そんなに髪の毛傷むんやね」
「そやで」
「染めたりしたら」
「それで脱色もな」
こちらもというのだ。
「かなり傷むから」
「それでお母ちゃんとしては」
「あまり勧められんわ」
「そうやねんね」
「そのままの方がええで」
眉毛はというのだ。
「傷んだら抜けて減るから」
「眉毛減るん」
「そうなるで」
実際にという言葉だった。
「そやからな」
「それはせんで」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「自然でいた方がええで」
「ううん、眉毛やとええと思ってたけど」
「眉毛が薄いとそれだけで難儀やで」
「額から汗が落ちてきても防がへんから」
「汗がそのまま目に入るとあかんで」
どうしてもとだ、母は娘に話した。それは自分の実経験から話すものであり亜美にこうも話したのだった。
「滲みるから」
「そうした経験あるんやね」
「お化粧の時眉毛剃るから」
だからだというのだ。
「そうした場合もあるから」
「それでわかってるん」
「そやで、そやからな」
「眉毛薄いとよくないんやね」
「お母ちゃんとしてはあかんわ」
どうしてもという言葉だった。
「眉毛染めるのは勧められへんわ」
「ほなどうしてお洒落しよか」
「そんなん幾らでもあるわ」
母の返事はこれまたあっさりしたものだった。
「安心してええで」
「幾らでもあるん」
「そやで、アクセサリー付けてもええし」
「あっ、それはええね」
「そこは色々勉強して」
それでというのだ。
「お洒落はやっていったらええわ」
「ほな一から勉強するわ」
亜美は母の言葉に頷いた、それでだった。
眉毛のお洒落は止めてそのうえで滅のことを考えることにした。そうしてまずはネットをみるのであった。
第二百六十一話 完
2020・5・8
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