第一幕その二
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「言って来られますね」
「そういえばそうかな」
「だからいつも言ってるじゃないですか」
ボボ王子もこう言ってきました。
「王様は急過ぎるんですよ」
「いつもか」
「はい、そして」
それでというのです。
「周りも慣れてますけれど」
「それでもか」
「戸惑いの段階じゃないですが」
それでもというのです。
「またかってなっています」
「そうなのか」
「そうですよ、今回にしても」
「旅に出ようと思ってな」
「それで、ですよね」
「国を大臣達に任せてな」
そうしてというのです。
「まずはこの村に来たが」
「あの、まずと言いましても」
それでもとです、クッキーはリンキティンク王に言いました。
「王様のお国からです」
「この村までじゃな」
「かなりの距離がありますよ」
「ほっほっほ、それでもじゃ」
「その距離もですか」
「わしには特に思うことがなくな」
それでというのです。
「楽しく来たぞ」
「そうですか」
「二人でのう」
「お供はいつも通り私ということで」
王子はやれやれといった感じでも優しい笑顔で言ってきました。
「二人で、なんだよ」
「そうですか」
「うん、まして王様を一人にしていると」
「何をするかですか」
「わからないからね」
それで心配だからというのです。
「お供をしているんだよ」
「そうなんですね」
「そう、そしてね」
王子はさらにお話しました。
「ここまで一緒に来たんだ」
「そうですか」
「ただね」
「ただ?」
「ここに来るまで色々と美味しいものを食べられたよ」
このことも笑顔でお話するのでした。
「有り難いことにね」
「果物やお菓子の実る木に」
カエルマンが笑顔で言ってきました。
「お弁当の木もあるから」
「二人で楽しく食べながら」
そうしてというのです。
「ここまで来たんだ」
「それは何よりだね」
「王様は特に目的地を決めなくて」
それでというのです。
「旅を続けてきたけれど」
「それは今もかな」
「うん、これといってね」
特にというのです。
「決めていなくて気の赴くまま歩いていて」
「この村まで来たんだ」
「それで王様は思いついて」
それでというのです。
「お二人を旅のお供に誘おうって」
「思ってのう」
王様は笑って言いました。
「ここまで来たのじゃ」
「そういうことだね」
「それで二人の返事を聞きたいが」
「旅の申し出は断らない」
カエルマンは笑顔で応えました。
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