ちいさなしまのおはなし
そして彼らは巡り会う
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の弟なんだよね?」
「でも学校で見かけなかったっすよ?」
「ん?あれ、言ってなかったっけ?僕の家、両親が離婚して別々の家で暮らしてるんだ」
大輔達の疑問に答えたのは、治であった。
あまりにもあっさりと答えるものだから、同じく知らなかった丈が、何故かゴメンと謝罪した。
「ちょ、ちょっと失礼だったね……」
「何でですか?僕は気にしませんよ」
変な丈先輩だなぁ、ってあっけらかんと笑うから、丈も脱力した。
まだ自己紹介は残っている。
「ほら、大輔とヒカリ。お前らも自己紹介しろよ。」
太一に促されて我に返った大輔達は、はーいっていい子の返事をした。
「本宮大輔!小学校2年生です!サッカー部です!」
「八神ヒカリです、小学校2年生。よろしくお願いします」
ぺこり、と2人が揃って頭を下げたのを見守って、太一はぐるりと全員を見渡した。
オーロラを一緒に目撃し、突然立ち上がった荒波に呑まれてこの不思議な世界に飛ばされた子ども達の人数を数え、1人足りないことに気づいたのは光子郎だった。
「ミミさんが、太刀川ミミさんがいません!」
4年生のミミは光子郎と同じクラスの子で、学年1の美女として有名だった。
彼も挨拶ぐらいは何度か交わしたことはあるものの、まともな会話をしたことは殆どない。
丈も何か彼女に用があったらしいのだが、その用件が何なのかを聞くことは叶わなかった。
「きゃあああああああああああああああああっ!!」
絹を裂くような悲鳴が響く。
「あっちだ!」
太一が最初に走り出した。続いて空、光子郎が太一の後を追う。
治と賢、大輔とヒカリ、そして丈がしんがりを務め、悲鳴のした方へ、子供達は走る。
開けた場所に出て、向こうの方からテンガロンハットを被った、ウエスタンスタイルの女の子が走ってきた。
足元にはコロモン達と似たような、植物の種から芽がでたような生き物が同じく走っている。
あれもデジモンなのだろうか。
今にも泣き出しそうな声を出しながら走ってくるミミ達の無事に、一同がホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、ミミの背後から高速で羽を羽ばたかせる音と、何かをなぎ倒すような音が同時に聞こえた。
ギョッとなって立ち止まった子ども達の視界に飛び込んできた、毒々しい程の赤色に染められた巨体のクワガタ。
「What!?What is happening!?What IS that thing!?What is going on here!?Somebody help us!!」
『ダッ、ダイシュケ!?なに!?なにいってるの!?』
「大輔くん、落ち着いて!何言ってるか分かんないよ!」
見たことのない大きな大きなクワガタに興奮と混乱により、英語で捲し立て始めた大輔にチビモン
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