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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
そして彼らは巡り会う
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ワガーモンのおと、とぉーくにいったよ、ソラ』

ピョコモンが頭に咲いている植物の蔓をぴょこぴょこと動かしながら言う。
ありがとう、と笑顔で礼を言う空に対し、太一と光子郎はピョコモン達と、太一達の後から出てきた生き物達をマジマジと見つめた。
どちらも深みが違うピンク色で、ニャロモンのように丸っこくて頭にひらひらとした触覚が生えている赤い目の薄いピンク色がコロモン、そのコロモンと違って両手がある少し濃いピンク色がモチモンというらしい。
太一も光子郎も、目が覚めてからコロモンとモチモンが傍にいて、ずっとついてきているのだと言う。
チビモン達と一緒だなぁ、とぼんやり眺めていたら、もう一匹がトコトコやってきて、コロモン達と太一達の間で止まった。
コロモンよりももっと薄い、白に近いピンク色で頭の先にコロモンと同じようなひらひらがついているけれど、その生き物は短い四足を持っていた。
申し訳程度の四足は、捏ねた粘土を指先でちょっとだけ摘まんでみた、ぐらいの短さだった。
次から次へと現れるちっこいのに、太一達も唖然と見詰めるしかない。
当の本人(厳密には人ではないのだが、便宜上)は太一達の好奇と驚愕の眼差しなど全く気にせず、来た方角に顔、というか身体を向けてこっちだよーと誰かに呼びかけた。
ひょこ、と樹の陰から顔を出したのは、黒髪の、大輔とヒカリと同じぐらいの見かけない、薄い紫のTシャツと首からペンダントを下げた男の子。

「トコモーン!」
「賢、待ちなさい!」

ニコニコと笑顔を浮かべながら走ってきた男の子の後から現れたのは、太一の親友でサッカークラブの先輩、治であった。
その腕に抱えているのは、これまた見たことのない角が生えた不思議な生き物。

「太一!みんなも、無事だったんだな。よかった……」
「あ、ああ、まあ……って、それより、お前のその腕の奴……」
「え?ああ、こいつ?」

目が覚めたらいたんだ、と何処か嬉し気に太一達に紹介する。
恥ずかしそうにもじもじしながら、生き物はか細い声でツノモンだと名乗った。
角が生えているから、ツノモン。安直なネーミングセンスである。

「ぎゃああああああああああああああ!!」

悲鳴が響いて、子ども達はギョッとなってそちらに目を向けた。
茂みから一直線に飛び出してきたのは、最年長の丈である。
太一達の姿を見て、助けてくれぇと情けない声で叫んだ。

「へ、へんな奴に追われて……!」
『しつれいだな!へんなやつじゃないよ、おいらプカモンだい!』

肩で息をしながら太一達の前で膝に手をつく丈の背中に、ぺっとりと抱き着いたのはアザラシの子どものような生き物。
また悲鳴を上げた丈だったが、年下達からの怪訝な眼差しを感じて、悲鳴を総て吐き出した。
じっと見つめてくる太一達
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