ちいさなしまのおはなし
そして彼らは巡り会う
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ン?』
「うん、あの、他の人。私や大輔くんみたいな。見てない?」
自分達は今2人きりなのだ、お兄ちゃんや他の人が見当たらないのだ。
どうしよう、って途方に暮れていたところに、チビモンとニャロモンが飛び込んできたから、太一達のことが一時的に頭からぽーんって飛んでいってしまっていた。
ヒカリの言葉で、大輔も思い出したらしい。
チビモンに同じような質問をしたら、
『しってるよ』
という言葉が2匹から同時に返ってきた。
「ほ、ほんとか!?」
『うん。コロモンたちがたいちがきた!ってどっかいっちゃったから、ここらへんさがせばいるはずだよ!』
「そっか!」
それなら話は早い。大輔とヒカリは手と手を取り合って、空いている片方の手でチビモンとニャロモンをそれぞれ抱っこして、2匹がくんくん匂いを嗅いであっちーって指差す方向に向かって進み始めた。
『………………』
歩き始めて数分。大輔の腕に抱っこされて楽ちんな移動をしているチビモンは、ふと目に映ったものに興味を引かれた。
大輔が首から下げている、銀色に光っているもの。
お喋りをして退屈をしのいでいたのに、突然黙り込んでしまったから、大輔は腕に抱いているチビモンを見下ろした。
チビモンは、ホイッスルを持ってまじまじと眺めていた。
何だろう、何だろうこれ?と言いたげに傾けたりひっくり返したりして、ホイッスルを見つめている。
可愛らしい仕草にまたも大輔の庇護欲が刺激され、ん゛っ、と変な咳が出た。
『ダイシュケー、これなぁに?』
カラコロ、カラコロ、と振ってみれば中から音がする。見たことのないものに、こうやって振って遊ぶものなのか、とチビモンは大輔を見上げた。
「ホイッスルだよ」
『ほいっする?』
「そう、ホイッスル。そこの、細いところ口に咥えてふーって息吹いてみ。あ、あんまり強く吹くなよ?優しくな、優しく」
『こう?』
口を尖らせながら見本を見せてくれた大輔の真似をして、チビモンは優しく息吹く。
ぴぃ、と弱弱しい音が鳴って、チビモンとニャロモンはビックリした。
『しゅごい!おとなった!』
『あー!アタシもやるー!』
きゃっきゃとはしゃぐチビモンを見て、自分もやりたいとニャロモンがせがむ。
いーよ、って大輔が許可を出してくれたから、一旦立ち止まってやればチビモンがホイッスルをニャロモンに向けて差し出した。
チビモンと違ってニャロモンは身体がない(顔だけ)なので、しょうがない。
口に咥えて、チビモンがやったように優しく息を吹きかけると、ぴぃ、と弱弱しい音を奏でた。
きゃあきゃあとチビ2匹ははしゃぐ。そんな2匹が微笑ましくって、大輔とヒカリもニコニコしながら見守る。
再びチビモン達に導かれて歩き出す大輔達。
チビモ
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