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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
そして彼らは巡り会う
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ーの名前を呼んでも、デジモン達は振りむいてくれなかった。

「コロモォオオオオオオオオオオオオン!!」

動いたのは、太一だけだった。
自分を護ろうと亥の一番に飛び出して行ったコロモンの後を追って、太一は腹の底から叫んだ。



空から9つの光が降り注ぎ、デジモン達を包み込んだのは、その時だった。



想いを受け止めて空から降ってきた9つの光は、まるで虹の柱のようで、何処か幻想的であった。
突如として暗くなった空から降り注ぐ9つの虹の柱に包み込まれたデジモン達が白い光に包まれる。
くるくるとその場で回転したかと思うと、それまで小さく頼りなかった姿かたちが変わってしまったのだ。

コロモンは黄色く小さな恐竜に、
ピョコモンはピンク色の小鳥に、
モチモンは大きなテントウムシに、
ツノモンは蒼い毛皮を被った恐竜に、
トコモンは羽の生えたハムスターに、
プカモンは白い毛皮のアザラシに、
タネモンは濃いピンク色の花が咲いた姿に、
ニャロモンは薄いピンク色の子犬に、

そしてチビモンは青い小さな龍の子どもに。

突然姿かたちが変わってしまったコロモン達を唖然と見つめる太一達を尻目に、コロモン……いや、アグモンは勇ましい掛け声をデジモン達にかけた。

『行くぞ、みんなぁ!』

アグモンを筆頭に、デジモン達は次々とクワガーモンに飛びかかっていく。
少しだけクワガーモンを怯ませることに成功したが、それでもクワガーモンと比べればまだまだ小さい。
右の2本の腕を思いっきり振るって、アグモン達をあしらう。
溜まらず吹っ飛ばされたアグモン達だったが、コロモンだったときと違ってすぐに起き上がった。

「大丈夫か!?」
『これぐらい平気さっ!』

決して強がりなどではなかった。身体が大きくなったことにより、受けるダメージも少ないのだ。
分が悪いと判断したのか、クワガーモンは背中の羽を羽ばたかせ、空に逃げようとした。

『させなわよ!ポイズンアイビー!』

逃がすまいと最初に動いたのはタネモンから変化した、パルモンだった。
爪だと思っていたのは蔓だったようで、思いっきり振るとどんどん伸びて行った。
クワガーモンの片足に蔓を捲きつけ、浮かび上がろうとする巨体を踏ん張って止める。
それでもなお逃げようとするから、プロットモンは大きく息を吸いこんだ。

『逃がさない!パピーハウリング!!』

きぃいいん、と脳に響くような音に、子ども達は咄嗟に耳を塞いだ。
それはクワガーモンも一緒だったようで、全身に響くような超音波はクワガーモンの巨体を鈍らせる。
次に動いたのは、ブイモンとパタモンだった。
アグモンよりも小さな身体のブイモンだったが、思いっきり助走をつけて走ると、パルモンの後ろでジャン
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