第一章
[2]次話
玄関で待っていて
普通のＯＬ奥田今日子の人生はその時から一変した。
「へえ、猫拾ったの」
「そうなの、それでね」
「今は一緒に住んでるのね」
「そうしているのよ」
友人の浜田八重子の家で彼女に笑顔で話した。
「これがね」
「それで最近職場でも猫ちゃんのお話してるのね」
「家に来てくれたから」
「そういう事情だったのね」
「ええ」
こう八重子に話した、
「それでね」
「今は一人で一匹でよね」
「暮らしてるの。一人暮らしよりもね」
ずっと、という口調でだ、今日子は同期でもある八重子に話した。見れば。
今日子は黒髪を短くしていて奇麗な大きな目を持っている、唇は紅で背は一五四位でスタイルはかなり均整が取れている。八重子は黒髪をおかっぱにしていて凛とした目鼻立ちで色白だ。モデルの様な体型で背は一六六程だ。
「同居人がいるとね」
「違うわね」
「同居猫だけれど」
「とにかく家族がいると」
「本当に違うわ」
まさにというのだ。
「凄く幸せよ」
「そうなのね」
「だからね」
今日子は八重子に自分のスマホを出した、そして画像を見せると。
赤茶色の毛で口の部分から腹にかけての部分と尻尾の先が白い猫がいた、黒目がちで愛嬌のある顔立ちだ。
その猫の様々な姿の画像を見せつつだ、今日子は八重子に話した。
「こうして画像もね」
「一杯撮ってるのね」
「そう、それにね」
さらにというのだ。
「おもちゃもね」
「買ってあげてるのね」
「いつも遊んであげてるの」
「もうすっかり猫に夢中になっちゃって」
「だって可愛くて」
今日子は否定せずに帰した。
「愛嬌があってね」
「それでなのね」
「夢中になってることはね」
まさにというのだ。
「事実よ」
「否定しないのね」
「実際にね」
そうだというのだ。
「私も」
「そういうことね」
「そう、それとね」
「それと？」
「キャットフードにも気を使ってるから」
これにもというのだ。
「美味しいっていう栄耀のあるのをね」
「猫ちゃんにあげてるのね」
「いつもね。ちなみに名前はチビよ」
今日子は猫の名前も話した。
「拾った時本当に小さかったから」
「チビなのね」
「そう、雄でね」
今度は性別の話もした。
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