第三章
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「頑張れたわ」
「そう思うとな」
父は自分の横にいる妻の膝の上の猫を見つつ言った。
「あの時実家でこの娘拾ってよかったな」
「そうね、ずっと一緒にいてくれてるし」
「美咲も癒してくれたんだからな」
娘が大変な時にというのだ。
「本当にうちに来てくれてよかったな」
「そうよね」
「じゃあな」
父はホワイトに言った。
「ホワイト、これからも美咲を宜しくな」
「何かあったら癒してあげてね」
「ニャア」
ホワイトは両親に応えてここでも尻尾を上下に動かした、ぱたんとした感じで。美咲はそんな彼女を見て自然と笑顔になって言った。
「尻尾での返事もね」
「いいよな」
「そうよね」
「ええ」
これもというのだ。
「いいわね」
「本当にね」
「お仕事に慣れるまでホワイトに毎日助けてもらったし」
それでというのだ。
「私もね」
「ホワイトによね」
「何かしてあげないとね」
こう言うのだった。
「お礼に」
「だったらブラッシングをしてやるんだな」
父が娘に笑顔で言った。
「ホワイトはブラッシングが好きだし」
「そうね、じゃあね」
「ああ、そうしてやれ」
「そうするわね、じゃあホワイト」
美咲は猫用のブラシを持ってホワイトに声をかけた。
「今からブラッシングしない?」
「ニャンッ」
ホワイトは美咲のその言葉を聞くとだった。
顔を上げてそうして美咲のところに行った、そうしてブラッシングを受けた。美咲はそのホワイトを見て優しい笑顔になった。そのうえで彼女へのブラッシングをよくして彼女を喜ばせた。
白い癒し猫 完
2020・7・20
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