第一章
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花が好きな猫
くろ丸は最初野良猫だった、生まれてすぐに公園で園田家に拾われた。
園田家は両親と娘の三人で父の具教は短い黒髪の爽やかな顔立ちの三十代の男で妻の早紀は薄茶色の髪の毛を後ろで団子にしたはっきりした目の夫より二つ年下の女性だった。娘の雪路は母と同じ色の癖のある髪の毛でやはりはっきりした目の少女だった。
雪路は一家で講演で遊んでいる時に彼を見付けて両親にすぐに言った。
「この子野良猫?」
「みたいだな」
父は彼を見て娘に答えた。
「首輪ないしな」
「そうなのね」
「このままだとな」
父は彼を見つつ言った。
「保険所かすぐに死ぬか」
「そうなるかも知れないわね」
母も彼を心配そうに見て話した。
「それじゃあね」
「ああ、うちに引き取ってな」
「飼いましょう」
「そうしような」
こう話してだった、一家はすぐに彼を引き取ってだった。
飼いはじめた、雄の黒猫だったのでそれで雪路がその名前をくろ丸とした。そうしてでだった。
三人はくろ丸と暮らしはじめた、くろ丸は雄猫だったがとても大人しくかつ躾けられた為に礼儀正しくもあった。それでだ。
家族はくろ丸と平和に過ごせた、その中でだった。
雪路は家の中でくろ丸を見て両親に話した。
「くろ丸またお花のところにいるよ」
「ああ、そうだな」
「そうしてるわね」
「ニャア」
見ればくろ丸は家の中の花瓶のところにちょこんと座っていた、そして自分を見に来た家族に一声鳴いて応えた、そのくろ丸を見てだった。
両親は雪路にこう言った。
「家にお花があったらな」
「絶対にその傍に来るわね」
「くろ丸は本当にお花が好きだな」
「そうよね」
「こんなにお花が好きな猫っているかしら」
雪路は両親に首を傾げさせて言った。
「他に」
「ちょっと聞かないわね」
母は娘に答えた。
「これは」
「そうよね」
「猫っていうとお魚とか動くものだから」
好きなものはというのだ。
「お花はね」
「猫が好きなものじゃないわね」
「やっぱりね」
「確かにな。けれど絵になるからな」
それでとだ、父が言ってきた。
「だからな」
「画像撮ってブログやツイッターに載せてもいいわね」
「ここまでお花が好きな猫も珍しいしな」
「それじゃあね」
「これからはな」
「くろ丸のそうした姿スマホで撮影してブログやツイッターに載せましょう」
「そうしような」
こう話してだった、そしてだった。
元々一家でブログやツイッターをしていたがそこにそれまでも載せていたくろ丸の花と一緒にいる姿も載せる様になった、すると。
どちらでも好評だった、そして家で何でもない時に見てもだった。
くろ丸は家に花がいればすぐに
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