六十四匹目
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
で列挙し解決策を考え始める。
「日光…は今の所大丈夫。動けてる。
流水はお風呂程度なら問題ない。
銀……も食事の時しか触んない…。
樫の杭…は誰だって死ぬし……。
そうだ、十字架」
シラヌイはサッと虚空に手を翳す。
十字架の形をした氷が生成される。
暫くの間それを見つめていた。
スッとシラヌイの頬から汗が落ちる。
「ティア」
『大丈夫です。魔力は減ってません』
「そっか」
カシャンと石畳に落ちた十字架が砕け散る。
シラヌイはうろうろしながら考え込む。
「後は何だ…。何があるんだ…」
『ご主人様』
「何か思い付いた?」
『最大のデメリットはご主人様がきゅ』
「うるさい黙れティア!」
『……………』
「わかってるから……。それは」
ベッドに腰掛け、後ろにバタリと倒れ込む。
「幸い、この世界の人間は科学世紀の人間ほど弱くない」
エルフや獣人が居る。
ヒューマンですら魔法を使う者が居る。
「吸血鬼くらい簡単に討伐"してくれる"。
だからこの世界では、僕は討伐するまでもない存在…だと思いたい」
シラヌイがなぜ自分が殺されたかを考えた結論。
自分を殺し得ぬから殺されたのだ、と。
「お婆様は知ってるんだろうな。僕が生まれ変わる前から化物だったって」
『あの方達は、きっとご主人様が何をしても、何であっても守ってくれるでしょう』
ベッドの横に置かれていたシラヌイの荷物からころりと青い珠が出てくる。
それは水を纏って、人の形になった。
「今はお休みくださいご主人様」
ティアの手がシラヌイの頭を撫でる。
「うきゅう……」
ひやりと涼しいティアの腕に抱かれ、シラヌイは眠りについた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ