第二章
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「相手しないからな」
「そうなのね」
「絶対にな、しかし何でお前やお母さんのところに行くよりお父さんのところに来るんだ」
父はこのことが不思議で仕方なかった。
「猫嫌いなのにな」
「どうしてかしらね」
「全く、訳がわからないな」
家でよくこう言った、とにかく父はシロの世話は一切せず意識して無視していた。そんな中でだった。
シロは家猫として育てていたが窓がたまたま開いていたのを見てそこから逃げ出した、それで由真も母もツイッターで捜索願いを出したり貼り紙もして必死に探したが。
シロは二週間経っても見付からなかった、それで二人共心配になっていた。家でもずっとシロの話ばかりしていたが。
父はずっとコロと一緒にいた、だがコロも何処か寂し気で父はそんなコロに尋ねた。
「お前もあの猫がいなくなって寂しいか?」
「クゥ〜〜ン・・・・・・」
シロは悲しそうに鳴いて応えた、父はそんなシロを見ても何も言わなかったが時々これまでシロが自分の傍に寄る時にいつもいた左横を見た。そんな中で」
シロがいなくなって一ヶ月程経った時のある夜のことだった。庭の方から声がした。
「ニャ〜〜ン」
「この声は」
「まさか」
由真と母が応えてだ、そしてだった。
すぐに窓を開けて庭の方を見るとだった。その庭の方からだった。
シロが来た、由真が見付けた時の様に汚れていて痩せていたがだった。
家の中に駆け込んできた、それで由真も母も彼女を迎えようとしたが。
シロはすぐに父のところに来てだ、その傍に来た。父はシロがコロと遊びだしながら自分の傍にいるのを見て言った。
「だから何で俺の方なんだ」
「お父さんがどう思っていてもシロはお父さん好きなんじゃないかしら」
由真はそのシロを見つつ父に話した。
「そうじゃないかしら」
「わからないな、お前やお母さんのところに行けばいいのね」
「そう言われてもな」
「まあシロはそう思っているから」
「やれやれだな、けれどな」
父は娘の話を苦い顔で聞いていた、だが。
自分の傍にいるシロを見てこう言った。
「まずは身体を洗って餌をあげるか」
「そうしないとね」
「早くね」
「折角戻ってきたからな、餌はお父さんがあげるから二人は洗ってやってくれ」
自分からこう言ってだった、父は実際にシロにご飯をあげた。するとシロは由真達に奇麗にされる前にまずはそのご飯を美味しそうに食べた。
この時から父はシロと普通に接する様になった、コロの世話も続けながらシロの世話もする父の顔はとても優しいものだった、それで母は由真に言うのだった。
「シロはお父さんが猫嫌いでもね」
「本当に嫌いじゃなくて」
「いい人だってわかっていたから」
だからだというのだ。
「それでなのよ」
「最初から懐い
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