暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第41話:狩られる者達
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
急降下し、眼下に広がる林の中に逃げ込みメイジ達を振り切る作戦に変えた。木々にぶつかるリスクはあるが、それは向こうもお互い様だ。寧ろ向こうは人数が多い分、透達より不利である。

「ッ!?」

 いきなり真下に急降下し林の中に逃げ込んだ透に、しかしクリスは何も言わずに後方への迎撃に専念した。透の読み通り、琥珀メイジ達は互いにぶつからないようにする事と木を避ける事に意識を割くあまり、動きが少し単調になって先程よりも狙い易くなっている。
 クリスは単調な動きをする琥珀メイジに容赦なくボーガン型アームドギアの矢をお見舞いし続けた。

「おら、こっちくんじゃねぇお前ら!!」

 ここは下手に狙うよりも弾幕を張った方が効果的と考えたクリスは、正確に狙う事を止めてとにかく引き金を引きまくった。狙いは甘くとも手数の多い攻撃に、琥珀メイジは次々と木にぶつかったり互いにぶつかり合ってその数を減らしていく。

 このままいけば逃げ切れるかもしれない。

 そんなクリスの淡い期待は、前方に現れた1人の魔法使いの存在により砕かれた。

「よし! 後ろは粗方片付けた。このまま、あっ!?」

 クリスがふと前を見ると、そこにはライドスクレイパーに横座りしている1人の魔法使いが居た。仮面の色は紫。

 言わずもがな、幹部の1人メデューサである。

〈イエス! スペシャル! アンダスタンドゥ?〉
「逃がしはしない!」
「ッ!!」
「わわっ!?」

 メデューサが放った石化の魔法を回避する為、無茶な軌道を取る透。お陰で石化は免れることが出来たが、無茶な軌道を取った為にバランスを崩し木に激突しそうになってしまった。

 これ以上飛び続けるのは無理だ。そう判断した透は、クリスを抱きしめると躊躇わずにライドスクレイパーから飛び降りた。

「な、わっ!?」

 突然の透の行動に驚きを隠せないクリスだったが、直ぐにそれに対応し彼女自身も透にしがみ付いた。

「ぐぅっ!?」

 透の咄嗟の判断が功を奏したのか、大きな怪我も無く着地に成功した2人だったが、それは窮地からの脱出を意味してはいなかった。
 地面を転がりながら着地に成功し、体の節々の痛みを堪えながら立ち上がる2人の前に悠々と着地するメデューサ。そして林の奥からは、ヒュドラに率いられた琥珀メイジが5人ほど姿を現し2人を包囲した。

 完全に追い詰められた状況の2人。彼らに向けて、メデューサは仮面の奥で勝ち誇った笑みを浮かべながら話し掛けた。

「ふ、これでお前達も終わりだな」
「くそ……テメェら!? 何だってそうまでして透を狙うんだよ!? もう放っといてくれよあたしらの事は!?」
「そんな事できる訳があるか。そいつは裏切り者だぞ? 裏切りには、相応の報いを受けさせる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ