61 石松の願い
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石松の話は終わった。
「それで某はお主らを見つける事ができたのだ」
「それでか」
「ねえ、ねえ、石松〜。アタシにゃどんな能力があるのお〜?」
まる子がボケるように聞く。
(自分で考えろよ・・・)
杉山は心の中で呆れた。
「そうだな。お主は豪雨の時に何も感じずに出動しなかったな?つまり、見聞の能力ではない」
「でも、アタシゃお母さんやお姉ちゃんに怒られてばっかりだし、威圧の能力でもないねえ〜」
「つまり、武装の能力が備わっておるという事になる」
「私は見聞の能力があるけど・・・」
すみ子は己に備わっている能力を顧みた。
「俺達にはおそらく武装の能力だな」
山口、川村、ヤス太郎も自身の能力を確認する。
「あ、私もだ・・・」
かよ子も先ほど気付いたように防御に特化した武装の能力を持っている事を確認する。
「俺達は・・・」
「大野けんいち、杉山さとし、お主らは武装の能力は武装の能力だ。そして富田太郎、お主も武装の能力を持っておる」
「そうだったのかブー」
「私はあ?」
冬田が聞く。
「お主は、武装の能力が備わっておるな」
「ありがとう〜」
(大野君にとっていいパートナーとして戦えるかしらあ・・・)
冬田は大野の右腕になれる事を想定し、大野から見直されて両想いになれる事を妄想した。
「そういえば威圧の能力を持っている人が出てきてないけどいるの?」
かよ子は石松に聞く。
「そうだな。威圧の能力を持っている者は実は他二つの能力と比較すると希少なる能力であるので所有者は少ない。だが、ここに一名おる」
石松は長山の方を見た。
「え・・・?僕・・・?」
長山は信じられなかった。
「いかにも」
「でも僕は何も発揮できてないよ・・・」
「一見そう見えるかもしれぬが、お主の頭の切れる才能からなる発案で皆を肯かせておる。それに某が知る限りではもう一名おる」
「それって・・・?」
かよ子は聞く。
「山田かよ子、お主の隣の屋敷に住む男・三河口健だ」
「え、三河口のお兄ちゃんが・・・!?」
かよ子は驚いた。
「まさに。お主らがオリガや丸岡と闘った後に丸岡を威圧させて遠くへ吹き飛ばしたというのを聞いておるな?」
「う、うん・・・。でも、どうして知ってるの?」
「ふと、あの者と単独で会った時に聞いておるし、イマヌエルがたまたまこちらの世界に来た時にも聞いた。お主らが知らぬところでも某は他の者と度々連絡を取っておる」
(そっか、だから札幌から帰る時に東京で寄り道して赤軍や異世界の人間を追い払ったって言ってたんだ・・・)
かよ子は思った。
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