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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第15話 会談〜そして謁見〜
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「私の世界で最も価値のある資源は人的資源…つまり人間だ。我がショッカーは選ばれた優秀な人間を改造し、怪人にすることであるゆる分野で常に進歩を続けているのだ」


(狂ってる……!!人間が資源だというのか。それではまるで消耗品ではないか……やはりショッカーと帝国では価値観や倫理観が違い過ぎる!!)
  


「よって帝国がその資源を虐殺したことはこの世界にとって大きな損失となったわけだ。それ相応の埋め合わせはさせてもらうぞ」



生きとし生きる者の命を安安と資源と断じる大首領の言葉でショッカーがやはり異世界国家なのだと改めて実感させられた。そしてそう感じたのと同時にショッカーの真の強さ…そして恐ろしさを理解した。



(妾は勘違いをしていた……ショッカーの真の恐ろしさは圧倒的な軍事力や技術力なんかではない!!)



ピニャは生唾を飲み干す。



ショッカーの真の恐ろしさ、それは―




(大首領の放つ絶対的な恐怖だ!!)





恐怖や畏怖……それは時としてカリスマ性や指導力と同じくらい国家の指導者に必要な要素の1つである。
ヒトや獣人、グロンギ、オルフェノク、アンデッドなどなど……。帝国と同じく様々な種族がひしめくこの世界を統一し、ここまでの独裁体制を築いて統治できているのはひとえにショッカーの指導者…すなわち大首領の指導力、統率力の高さにあると思っていた。


だが実態はそんなものではないとこうして実物を目にして理解した。
彼の持つそれは到底、カリスマ性や指導力という言葉では形容してもしきれないぐらい禍々しく、遥かに強大なものだった。強いて言うならば『絶対的な恐怖観念の塊』といったところだろうか。


そしてこのショッカーの世界では大首領はカリスマ性のある強権的な指導者の恐怖による"権威"で怪人達をコントロールし、その怪人達が人民を支配しているのだ。ところがその支配されているはずの人民達はこのショッカー大首領に恐怖心を抱くどころか『正義の化身』として敬愛し、奉り、忠誠を誓っているという。ピニャにはそれが信じられなかった。


(狂ってる…!!こんなバケモノをどう見たら正義の化身に見えるというのだ!)


自分達を資源扱いする存在を崇め奉るこの世界の人民の思考が理解できなかった。いや、理解できてしまえば既にショッカー側の狂ってしまった人間になってしまうような気がした。


ピニャは目の前の"怪物"が帝国、ひいては異世界全ての生殺与奪権を握っているのではないかと考えると恐ろしくてたまらなかった。

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