第15話 会談〜そして謁見〜
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い胸像が隅々にかつ無数に置かれている。
まるで神の根城。そんな雰囲気が漂っていた。
それから廊下を渡り、宮殿のちょうど中腹地点まで歩くとスーツ姿の親衛隊員の一人が3人に話しかけた。
「ここから先は帝国皇女、ピニャ・コ・ラーダ殿下とボーゼス・コ・パレスティー殿のみお通しすることとなっております。また、金属類はここで預からせてもらいます」
「加頭殿は来ないのか?」
ピニャはどこか不安気に加頭を見た。
しかし正式に招待されているのがピニャとボーゼスだけである以上、ただの付き添いに過ぎない加頭にはどうすることもできない。
「残念ですが自分はここで待つしかないようです。ここから先は正式に招待されている殿下しか行けません……どうかお気をつけて」
加頭という心強い味方を失ってしまい、ピニャは失意の中、進む羽目になった。
それからピニャとボーゼスは長く続く廊下をたった二人だけで歩いた。廊下は奥に進むにつれて薄暗くなっていった。それだけでも不快なのにここは敵国の指導者の宮殿であるという事実……それを女性だけで歩いているというだけで不安感が増し、生きた心地がしなかった。
しばらく歩くと重厚そうな豪華な装飾の扉が見えてきた。そしてその扉の前では白いスーツの上に黒いマントを羽織った白髪混じりの男が待ち構えていた。
「ピニャ殿下だな?私は怪人作りの名人、死神博士。この奥の部屋が大首領様の謁見の間だ。ついてこい」
死神博士は簡単な挨拶を済ませると重厚な扉を開けて謁見の間に入る。
室内はさっきの廊下以上に薄暗く、レッドカーペットが敷かれ、その周囲に等間隔に配置された燭台の炎が辺りをボンヤリと照らしていた。そして部屋の奥には赤と黒を基調とした玉座があり、玉座の頂点には羽を広げた鷲の彫刻が鎮座していた。
さらに部屋の両端には武装親衛隊所属の怪人達も数十人、整列しており、敵国の皇女であるピニャ達に向けて強烈なまでに敵意のこもった視線を放っていた。
殺意にも似た視線を向けられ、ピニャは恐怖を押し殺しながら玉座の前まで案内され、死神博士による大首領と謁見する際の礼儀作法講座を聞いていた。
「いいか?大首領様がお話になっている時は話を遮ってはいけない。さらに、重要なことだが素顔を見ようとしないこと。失礼無きようにな」
死神博士がピニャ達をジロリと睨むように見て念を押した。すると謁見の間の扉を勢いよく開け、黒い軍服を纏った親衛隊員の1人が叫んだ。
「大首領様がお入りに!!!」
その言葉と共にピニャ達以外の室内にいた全員がかかとを打ち合わせてピシッと姿勢を整えたのを見て、ピニャ達も少し遅れて同じように姿勢を整え
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