第15話 会談〜そして謁見〜
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無能ならいくら親が有能でも要職から更迭されるのである意味、徹底した平等主義を貫いているという見方もできる。
奴隷制度が存在し、皇族や世襲議員によって政治的腐敗が進んでいる帝国よりも反対勢力の粛清こそすれど異種族すら人的資源として公平に扱うショッカーの方が人道的で公平かつ合理的なのは言うまでもなかった。
それからも会談はショッカー側のペースで進んでいった。やがて会談も終わりに差し掛かると外交官は急に優しい口調になった。
「まあ、我々も鬼畜ではありません。殿下が"我々の望む"講話に向けて働いてさえくれれば助けることもできるかも知れませんね……帝国も、捕虜も」
ピニャは外交官の言った『我々の望む』という部分が引っかかったがそれを聞く勇気がなかった。
果たして彼らの望むのは領土の割譲だろうか、政治体制の変革だろうか……。
やがて会談は終わり、全員が会議室から退室する。ピニャとボーゼスは未だに呆然としていた。それを見かねた加頭が声をかけようとしたそんな時、加頭の電話がなった。
加頭が携帯を取り出して電話に出る。
「はい、加頭です」
電話の相手は政府高官だった。そしてその高官は加頭にやんごとなき連絡をする。
「……はい、はい……!?それは本当ですか!!??」
さっきまでとは明らかに打って変わって驚き、震える声で加頭は答える。
「はい、はい………わ、分かりました。本人達に伝えます」
加頭は通話を終えると内容のあまりの衝撃に呆然としてしまった。それを見たピニャが不思議そうに尋ねる。
「加頭殿?どうされたのだ?」
「ピニャ殿下……落ち着いて聞いてください。先程、政府上層部から連絡があり……だ、だ…だい」
緊張のあまり、うまく言えない。ピニャはそれを見て余程の事態なのだと理解した。
「だ、だだ、だ………フゥ、ハァハァ」
加頭は落ち着きを取り戻そうと深呼吸をする。そしてゆっくりとその驚愕の内容を話し始めた。
「"大首領様が殿下にお会いしたい"と連絡がありました!!!」
その言葉に今度はピニャが凍りつく。
ショッカー大首領……ショッカーの頂点に君臨するこの世界の支配者。帝国で言うところの皇帝に当たる者に突然、謁見することになり、動揺を隠せなかった。今度はピニャ達が慌ててしまった。
「加頭殿!妾達は、妾達はどうしたらいいのだ!!」
「と、とにかく既に親衛隊所属の送迎車がここに向っているそうです!私も途中までは付き添いができるそうですからどうかご安心を…!!」
加頭がなんとかピニャをなだめてから数分後、黒塗りの政府専用の公用リムジ
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