第15話 会談〜そして謁見〜
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容所に送られ一生をそこで過ごすか、思想犯として処刑されるかどこかの研究所で使い捨てのモルモットになるかの三択しかない。
余談ではあるがショッカーが生物兵器や化学兵器、生体兵器の開発を容易に行えるのは彼らの科学技術のレベルの高さの他に国際条約による縛りを受けていないことやショッカーを咎める"対等な他国"の存在がないことも関係していた。
「そんな…彼らは国の為に戦った兵士なのに…。残酷な……」
「残酷?他所の世界に汚い土足で乗り込んでショッカーの"人的資源"たる人民、それも無抵抗の市民を虐殺するよりはマシだと私は思いますがね」
尤も帝国に対する貴重な外交カードである捕虜をショッカーが処刑する可能性はほぼ無いが外交官は言葉に含みを持たせることでピニャに圧力をかける。
「もうここからはお互い本音で話しましょうか。我々、ショッカーは帝国を極めて危険な思想を持つ国家ないしテロ組織と見なしています」
「え……?」
ピニャは外交官の言っていることが理解できなかった。
(帝国が……危険…だと……!!??)
「帝国はヒト至上主義を掲げて亜人を虐げ、貴族や皇族による専制政治を行っています。また勝手に皇帝を立て、異世界の覇者を気取り、他国に対して横柄な態度をとっているそうじゃないですか。そんな政治状況では貴国と講話したところで反ショッカー的な態度を変わらず取り続けるでしょう。それでは状況はなんら変わりません」
「そ、そんな!貴方方は帝政を廃止しろとでも言うのですか!?」
「そこまでは言いません……が、我々から見れば帝国は覇権主義的で好戦的な亜人差別国家なわけです。そんな国家が隣にいて安心できるわけがないじゃないですか。せめて覇権主義的な政策やヒト至上主義は改めてもらわないと」
確かに民主主義や人道観念のない異世界では帝政や王政で民衆を締め付け、その不満のはけ口を亜人差別へと向けるのが『当たり前』なのだがその当たり前はショッカー世界では到底、通用するものではなかった。
ほんの一握りの指導層が広大な領土を少数で支配するという点では帝国とショッカーは同じでもその支配の方法が根本的に異なる。
帝国はヒト至上主義による亜人の差別意識で貴族から平民までを半ば強引にまとめあげている。それに対してショッカーは人民を『人的資源』と見なし、その中でも特に優秀な者をより優秀な存在…すなわち改造人間にしてショッカーの意のままに世界のあるゆる分野を支配するという支配方法をとっている。
一見すれば、ショッカーの方が冷酷な恐怖政治を行っているように見えるが逆に言えば『人的資源』として優秀なら性別や出自、種族に関係なく出世・活躍することができ、その反対に当人が
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