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おぢばにおかえり
第五十九話 先輩と神戸でその十八

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「ビールもワインも日本酒も」
「そうだったんですね」
「コンパとかでいつも飲んでるし実家でもね」
「飲まれてますか」
「うちお酒はいつもあるから」
 お家にというのです。
「だからね」
「そういえば先輩のお家も教会でしたね」
「そう、そのせいかね」
 天理教は神道と同じでお酒にも縁がある宗教と言えるでしょうか、祭事にも使いますし信者さんもよく持って来てくれます。
「私のお家いつもお酒があって」
「飲まれてますか」
「いただいてるの」
「そうなんですね」
「一升空けることもあるし」
「一升ですか」
「そうなの。飲んだら止まらない方で」
 これまた今わかった先輩の秘密でした。
「お酒はね」
「どんどん飲まれるんですね」
「それで大好きなのよ」
「そうでしたか」
「けれどお昼だしお金も心配だから」
 先輩は私ににこりと笑って言いました。
「止めておくわね」
「それがいいですね」
「ええ、けれど食べ放題で千五百円って安いわね」
「何か普段は二九八〇円らしいですが」 
 メニューはそう書いています。
「お昼は安くて期間限定で」
「それでそれだけなのね」
「そうみたいですね」
「じゃあ今日ここに来られてよかったかしら」
「そうですね、運がよかったですね」
 私は先輩に笑って応えました。
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