第二百六十話
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第二百六十話 母と話すと
亜美は母に夕食を作る手伝いをしながら母に尋ねた、見れば包丁を使う手の動きは実にいいものである。
「眉毛染めたらあかんやろか」
「眉毛を?」
「染めて染料が汗に混ざって目に入ったりせんやろか」
「そんな話は聞いたことないで」
すぐにだ、母は娘に答えた。
「髪の毛でもな」
「ないん」
「ないで、お母ちゃん髪の毛染めたことあるけど」
「あるん」
「大学の時一時期金髪にしててん」
「そやったん」
「その時髪の毛めっちゃ傷んだけどな」
それで染めることを止めたのはここでは言わなかった。
「けどな」
「それでもなんやね」
「染めた染料が汗に混ざって落ちるとか」
そうしたことはというのだ。
「聞いたことないで」
「そうなん」
「というか髪の毛染めても洗うやろ」
その髪の毛をというのだ。
「そうするやろ」
「そやね、髪の毛は洗わんと」
どうしてもとだ、亜美も言った。
「汚いから」
「シャンプー位で一々落ちてたらあかんし」
「汗でもやね」
「落ちる位やと意味ないから」
だからだというのだ。
「そんな話はないで」
「そうなんやね」
「ほんまにお母ちゃん聞いたことないわ」
そうした話はというのだ。
「一度も」
「そうやねんね」
「そやから別に眉毛染めてもな」
「その心配ないんやね」
「絵の具位やと落ちるけど」
それでもというのだ。
「髪の毛染める染料やと大丈夫やで」
「そやねんね」
「そこは安心してええから」
「ほな眉毛染めてええんやね」
「それ位何でもないで、ただ毛は傷むで」
ここでこのことを話した。
「そこは気をつけや」
「傷むんやね」
「めっちゃな」
このことは言うのだった、母は娘のその言葉に頷いた。
第二百六十話 完
2020・4・30
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