第十二幕その八
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「サラは神様に愛されているね」
「どういうことかしら」
「その時僕達は王子のお家に招かれているんだ」
「そうなの」
「だからサラもどうかな」
こうサラにお誘いをかけるのでした。
「王子のお家にね」
「けれど私王子様とは最近お会いしていなくて」
「大丈夫だよ、王子はそうしたことは気にしないから」
「だからなの」
「そう、だからね」
それでというのです。
「そうしたことは気にしないでね」
「いいんだ」
「そして王子のお家で」
先生はサラにこうもお話しました。
「すき焼きを食べよう」
「日本の牛肉のお鍋ね」
「どうかな」
「素晴らしいお誘いね、だったら」
「一緒に来てくれるかな」
「ええ、それじゃあ」
それならとです、サラは頷いてでした。
来日した時に王子のお家ですき焼きをご馳走にあなることを約束しました、そのうえで来日しましたが。
サラは先生のお家に来てすぐにこんなことを言いました。
「日本の牛肉は魔法のお肉よ」
「和牛はだね」
「ええ、霜降りでね」
そうしたお肉でというのです。
「不思議な美味しさがあるわ」
「普通の牛肉とは違うね」
「そう、その美味しさときたら」
先生に笑顔でお話します。
「一度食べたら」
「忘れられないね」
「ステーキでもそうだし」
「すき焼きでもだね」
「ええ」
こう先生に答えました。
「本当にね」
「そうだね、普通のお肉もね」
「いいけれど」
「霜降りのすき焼きは」
「あれだけ美味しいから」
だからというのです。
「私もね」
「楽しみだね」
「そうなの、ましてやイギリスにいたら」
「肉料理もだね」
「他の国のそれと比べたら」
本当にと言うのでした。
「もう味付けも火の加減も」
「駄目だね」
「本当にイギリスのお料理は」
サラはとても残念そうに言いました。
「残念よ」
「そのことは定評があるね」
「世界的にね」
「それも昔からだね」
「オリンピックでも言われていたし」
ロンドンオリンピックでもというのです。
「日本からイギリスに来た人も」
「お料理は褒めてくれないわね」
「むしろね」
褒めてくれるどころかというのです。
「噂通りとかね」
「言うわね」
「そういうのを見たら」
先生にしてもです。
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