第27話 最後の仕上げ
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
必要はないと思うのですよ』
「泉美さん、やはりあなたは立派な方ですね。姫子様が喜ぶのも頷けます」
『いえ、そこまで私は……』
そう謙遜する泉美。彼女が完全に自分に自信を持つのは、この先の人生で培っていけばいいだろう。
そして、『こだわる必要はない』と言いつつも、泉美は思いっきりガラホにこだわっていた事も、この場では秘密にしておきたい事なのだった。
「後は……」
泉美が最後に意識を向けた人物は、大神家を取り仕切る和希であった。そこへ意識を向ける泉美の緊張は高まる。
と、言うのも泉美が彼に割り当てた怪肢は少々特殊な存在だったからである。
それと言うのも、和希の目の前に今いる怪肢は、たった一体だったからだ。
だが、その怪肢は鎧武者のような姿をしており、他の怪肢とは一線を画す存在だったのだ。
『和希さん、済みません。あなたにこのような重荷を背負わせて』
「構いませんよ。この様な相手では、私を差し向けるのが一番良策でしょうから」
そう言って和希は手に持った刀をその鎧武者へと向けると、彼もそれに倣い刀を握り締めて臨戦態勢を取る。
この事からも、この武者は見かけ倒しではなく、手練れだと感じ取る事が出来るだろう。
だが、和希は臆する事なく彼にこう言うのであった。
「それだけで見事な戦士だと私には分かりますよ。残念です、あなたが邪神の手先などではなく、立派な人間であったら、あなたとは良き友になれたかも知れませんのに」
しかし、相手は機械仕掛けの邪神から生まれた造形物。故に心は持ち合わせていないのであった。
その証拠と言わんばかりに、その武者は和希の言葉にも一切反応する事なく刀を大振りにして斬り掛かってきたのであった。
それを冷静に対処しながら、和希は腰をかがめて踏み込む姿勢を見せ、そのまま敵の懐に潜り込んでその勢いで刀を振り抜いた。
そして、気付けば武者には大きな切り傷が刻まれており、そこから派手に火花を散らすとそのまま彼は爆散してしまったのであった。
『和希さん、見事です』
「ええ、士郎に居合いを始めとした剣術を教えたのはこの私ですからね、泉美さんもありがとうございました」
『はい、和希さん。後は『仕上げ』だけですね♪』
◇ ◇ ◇
そして、ここは大神家の庭園であるのだった。そこは十分なスペースが確保されている場所である。
そこに立っていたのは、神奈木幸人であるのだった。
「どうやら、皆さんよくやってくれたようですね。後は僕の出番という事でしょう?」
そう言うと、幸人はその場でおもむろに手を掲げる。すると、彼が手を翳した宙に無数の鉄屑が一瞬の内に出現していたのであった。
それは良く見て見れば、先程大神家に残った者達が皆で倒した怪肢の残骸達であるのだった。それが、幸人の手によりこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ