第27話 最後の仕上げ
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だが、彼は百発百中のライフル捌きにより、それらにも落ち着いて対処出来るのである。
そして、彼は至って沈着冷静に空を舞う敵を一体、また一体と次々に撃ち落としていったのであった。
その手際は早く、瞬く間に泉美の導きによって彼が引き受けた飛行型怪肢は全滅する事となったのだ。
「泉美お嬢様、私の方はこれで済みました」
「ありがとう、真人さん」
まずは一つ片付いたようである。だが、まだそれは一角に過ぎないのだ。続いて泉美は次の人物へと目を向ける。
その人物は、稲田家の専属のメイド長である如月アリアなのであった。ここで、この人はこのような戦いの場に向けるべき者でないと思われるだろう。
だが、彼女は実は特殊な訓練を受けた戦闘メイドなのであった。普段の平和な生活ならばその技能を披露するような事は無かったのだが、幸か不幸か今がその時であるのだった。
彼女はメイド服の中にしこたま仕込んでおいたナイフを数本投擲する。すると、彼女が担当している蜘蛛型の怪肢に次々と刺さって彼等は一瞬の内にその機能を停止させられたのであった。
だが、蜘蛛型という人外の形を相手にしていては戦いづらいというものである。故に彼女はその背の低い蜘蛛達に、足下から接近を許されてしまっていた。
「くっ……」
思わず歯噛みするアリア。だが、こんな状況も泉美はしっかりと見据えていてくれたのだ。
『アリアさん、少しの間耳を塞いで下さい!』
「え、分かったわ!」
泉美の司令室からの呼び掛けに、アリアは咄嗟に応えて泉美の指示通りに両手で耳を塞いだのであった。
すると、この場にけたたましい騒音が鳴り響いたのであった。
そして、見れば怪肢達は突如鳴り響いた音に警戒し、右往左往していた。
その一瞬の好機をメイド戦士であるアリアは見逃さなかったのであった。
「泉美さん、ありがとう。後はこれで大丈夫よ!」
そう言うとアリアはありったけのナイフを掴むと、それら全てを残った怪肢へと投げ付け、彼等を余す事なく破壊したのであった。
そして、難の去ったアリアは司令室にいる泉美に質問する。
「泉美さん、今一体何をしたのですか?」
『ちょっとですね、このような事もあろうかと、ガラホの録音アプリで録音しておいた工事現場の音を、大音量で流してやっただけの事ですよ♪』
「え゛っ……」
ツッコミ所が多すぎてアリアは呆けてしまった。ガラホだとか、工事現場の音を録音しておいたとか、極め付きにこのような事があると思って用意しておいたとか……等々である。
泉美は彼女がそういうリアクションをするのは当然だと思いながら、アリアに持論を言うのであった。
『アリアさん、私はですね。どうでもいいって事はないとは言いませんけど、物事を良い方向に導くには必ずしも格好いい課程や方法にこだわる
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