第26話 八つの媒体と、神無月の巫女
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そう、ミヤコの身体の中から大邪の力が抜けていくのが分かるのであった。
この時、彼女は自覚した。自分は決して大邪の力に見初められて嬉しかった訳ではない、『それにすがるしか希望が無かったから』だったのだと。
その事に気付いたミヤコは、自身の中から大邪の力が抜けると同時に、その場で気を失ってしまったのであった。
「千影ちゃん! ミヤコさんを安全な所へ!」
「分かったわ!」
確かにミヤコは今まで大邪として暗躍して、結果様々な人がその運命を狂わされてきた。
だが、彼女自身も被害者だったのである。だから、そんな者を心優しい姫子が見捨てる筈もなく、それには千影も同意を感じる所だったのだった。
そして、千影はその身体能力にてミヤコをこれから始まる戦火に巻き込まれないだろう安全な場所へと置いて来るに至ったんのであった。
「ありがとう、千影ちゃん」
「お安いご用よ、姫子。後は……」
目の前の邪神との最終決戦を行うのみだろう。だが、その邪神は今正に変貌を遂げ続けていた。
彼の中に次々と大邪の力が取り込まれていったのであった。それを彼は満足気に説明するのであった。
「おお……どんどん我が分け与えた『八つの首』の力が我に戻っていく……」
そう邪神が言うように、大邪が今まで繰り出して来た八体の神機楼。それは本体のヤマタノオロチがその身を切り離して造ったにすぎなかったという事なのだ。
そして、一頻り『自身の力』をその身に戻した邪神の姿は大きく変貌していたのであった。
最初にその姿を現した時には、30メートルはあろうとも、その造形は紛れもない人型であるのだった。
だが、今では本来の顔部とは別に胴体に眼と口の存在するという、異形の龍といった現実の生物ではあり得ない姿となっていたのであった。
『うむ……これこそが、これこそが我が真の姿なり……』
そして、自身の本来の姿を取り戻した邪神は実にご満悦といった雰囲気を醸し出していたのである。
「これが、本当の邪神の姿……」
「ええ、そして行くわよ、姫子!」
「勿論!」
見ているだけで気を違えてしまいそうなその圧倒的な質量と雰囲気に対して、巫女二人は恐れがないと言えば嘘になるのであった。
だが、同時にこれ位の事で怯まない意思が、二人には今までの戦いで培われて存在するのである。
だから、その想いを胸に、後は最後の敵に立ち向かうだけなのだ。
「出でよ! ヤタノカガミ!」
「ヤサカニノマガタマ!」
なので、この戦いでは自分達の出来る事をすべからく行っていくだけなのだ。まずは、自身の愛機の神機楼の召喚であるのだった。
そして、召喚の済んだ二人はそれぞれの機体へとその身を投じていったのである。
続いて、愛機に搭乗した姫子はその状態で千影へと語り掛けていった。
「
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