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神機楼戦記オクトメディウム
第25話 真相と決着
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そして、両者は適度な距離を取り、互いに剣を持ちながら向き合っていたのであった。
 呼吸を整えながら、相手の出方を互いに伺う。
 そんな中で士郎は考える。──相手は神機楼を身に纏っているが故にその防御は折り紙つきだろうと。対して、自分は剣神の媒体はあるものの、それ以外は生身の状態なのだ。
 故に、勝負は一瞬で着けないとこちらがやられるだろう。
 そう士郎が思い至るのと、翼が踏み込むのはほぼ同時であったのだ。
 そして、士郎は一瞬の内にパワードスーツに身を包んだ翼の懐へと潜り込んだ。そこから彼は居合いの要領で刀を振りぬいたのであった。
 それは、士郎が大神家で磨き上げた得意技で、姫子との初の手合わせの時も全戦をする事が出来た一因である。
 その自身の鍛錬と努力を信じて、士郎はこの一撃を放ったのであった。そして、二人はそのまますれ違い、最初とは逆の位置に立つに至っていた。
 そして、暫し沈黙の時が流れる。その後、口を開いたのは翼であった。
「士郎……」
 そう相手を呼んだ後に続き、彼はこう締め括った。
「見事だ、お前の勝ちだよ……」
 その相手が勝利した事を言い切ると、彼を纏っていた呪縛の鎧は粉々に砕けたのであった。
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