第24話 大邪の大将
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いっきりはにかんでみせたのであった。彼とて、父親という自分の上を行く者を出し抜く事が出来たのは嬉しいのである。
しかし、そのような手に出た翼は、平静さを取り戻しながら言う。
「だが、ただ空を飛んだだけで私の所へ来れると思わない事だ」
そう言うと、再び翼はスクナノヒコの両翼を広げさせて迎撃の体勢に入り、
「今一度喰らえ! ウィングガトリング!」
そして、再度羽根の弾丸の砲撃を繰り出してきたのであった。そう、スクナノヒコには揺ぎ無い遠距離攻撃の性能が備わっているのだ。
だが、『クサナギノツルギ』ならば、その問題も想定内なのであった。
おもむろに士郎は愛機に空でこれまた刀身の黒く染まった剣を振り翳させた。すると、そこから無数の黒い刃が放出されたのだ。
そして、その刃が次々と敵が送り込んだ羽根の弾丸を消し飛ばしていったのであった。
更には、ご丁寧に『お釣り』もしっかりと確保していたのである。
「ぐぬぅぅぅっ!!」
アメノムラクモの時は敵は地上で自分の攻撃をかわすのに手一杯であったのに対して、今はこうしてこちらの攻撃を防いだばかりか反撃の傷まで負わすに至ったのだ。当然翼は驚愕する。
「その力は一体……」
三神器の神の一柱にそのような性能があろうとは、そう思いまたも翼は聞いてしまうのであった。
「泉美さん曰く、三神器は邪神に対抗する為に創られたとの事。だから、その性能も邪神に太刀打ち出来なければならなかったようなんだ」
その言葉の後に士郎はこう締め括った。
「アメノムラクモが『光の力』なら、このクサナギノツルギは『闇の力』といった所みたいでして。その性質も表裏一体の正反対なもののようなんだ」
「そのような事が……だが!」
その事実に驚く翼であるが、まだ彼には奥の手があるのであった。今の相手が思わぬ力を発揮する以上、最早出し惜しみなどしてはいられないだろう。
「『これ』に対してはどう抗う?」
言うと翼は愛機の両翼を更に大きく展開させる。すると、その機械の翼は粉々に砕けたのであった。
そして、その物質の産物の翼を捨てた彼は、今度は神々しく光輝くエネルギーの翼をそこに携えていたのであった。
無論、それは子供騙しの類ではなく、そこから発せられる重圧感が、この力の強大さを嫌という程醸し出していたのだ。
「ではゆくぞ! 『極光の大比翼』!!」
言うと同時に彼の機体はその翼を大きく羽ばたかせる。すると、そこから凄まじい力の奔流が繰り出されたのであった。
このような常軌を逸した力とまともにやり合っては、とてもではないが押し負けるのが自然というものだと士郎は直感したのであった。
しかし、ならば『やり合わなければいい』だけの事なのだ。
「こんな事するのは武士ならば失格なんだろうけどね……」
今対峙し
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