第24話 大邪の大将
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いた。
しかし、その片方である翼の駆る機体は宙に浮きながらである。そのため、士郎と剣神を見下ろす形となっていたのであった。
親子同士の対面でそのような事は子に失礼と分かりながらも、翼は自身の機体が空中戦用なのを思い出してその想いを振り切る。
「このような形で申し訳ないが、始めさせてもらうとしよう!」
言うと翼はスクナノヒコの両翼を一気に広げさせ、まるで威嚇するかのようにそれを士郎へと見せつけたのである。
勿論、それはハッタリや見せ掛けではなく、翼が今から行う攻撃の体勢に他ならなかったのであった。
そして、遂に翼は行動に出る。
「喰らえ! ウィングガトリング!」
そう彼が唱えると、その立派な両翼から次々と羽根を模した弾丸が放出されたのである。
それを士郎は剣神に避けさせたり、手に持たせた剣で切り払ったりしてその攻撃を防いでいった。
「くっ……!」
だが、そうしながらも彼は自身が押されるのが分かるのであった。自身の剣神には飛び道具などなく、更には地上用の機体であるのだ。どう贔屓目に見ても、自分には分がない事は明白なのだ。
しかし、士郎にはそれらの要素を一気に覆す奥の手があるのであった。
そして、敵はさすがは大邪の大将といった感じである。とてもではないが、この羽根の乱撃だけが攻撃手段だとは思えはしなかったのであった。
故に、ここは『出し惜しみ』している場合ではないだろう。そう思った士郎の行動は早かったのであった。
「──『剣神・形態変化』」
そう士郎が言い切ったと思ったらそれはすぐに起こったのであった。──一瞬にして剣神のカラーリングが純白から『純黒』とでもいうべき黒一色となったのだ。
加えて、コックピット内の士郎の姿も黒一色へと変化していた。
当然、相手がそのような変貌を遂げたが故に、翼もそれに驚くのであった。
「士郎……その姿は……大邪の力ではないようだな?」
翼は敵がミヤコの謀略を利用して、士郎に大邪の力をそのまま流用させるに至った事は知っているのであった。
だが、どうやら今しがた士郎が繰り出したこの力はその範疇にはないようだ。
故に、敵に質問するという行為が無粋だと知りながらも、翼は聞かずにはいられなかったのであった。
「一体、その力は何なんだ?」
そして、敵であるからそれに答える義務も士郎にはないのだが、彼も律儀にそれに答えるに至る。
「この力はね、『剣神クサナギノツルギ』……。アメノムラクモのもう一つの姿ですよ」
そう言うと、士郎はその『クサナギノツルギ』に跳躍の動作をさせたのであった。
そして、それはそのまま空を駆る力となったのである。
「何? 飛行能力か?」
「はい、これで父さんと同じ土俵に立てますよ♪」
驚く翼に対して、士郎はそのあどけない顔で思
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