第24話 大邪の大将
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ったのだ。つまり、今のこの二人は端から見ると兄弟のやり取りにしか見えないのだが、実際はれっきとした『親子』という事のようであった。
そして、士郎の実の父親である『大神翼』はその理由を語っていく。
「親子の再会をこんな形にして済まないな。私は大邪の力に目覚めてからは肉体が歳を取らなくなり、加えて未成年の姿となってしまったようなのだよ」
「父さん……」
対して、士郎は実の父が少年の姿になってしまった事には当然驚きながらも、それよりも自分に血を分けた人から受ける温もりの方が上回っているようであった。
「そんな事は気にしてないよ。でも……」
そこで士郎は言葉を詰まらせてしまうのであった。それを言ったら、もう引き返せない事が分かっていたからだ。
そう躊躇う士郎の代わりに、翼はそこへ踏み入るのであった。
「ああ、これから私達は神器の遣いと邪神の遣いとして相まみえなければならないという事だ」
それが現実なのであった。彼と士郎は親子であっても、自分は大邪の大将として、自分へ挑んできた敵を倒さなければならないのだ。
そして、士郎の心に纏わりつく迷いを振り払うべく、彼は行動で示すのであった。
その為に彼は懐からある物を取り出したのであった。それ一枚の羽根なのだった。
それをどう使うのかは、最早分かるだろう。翼はそれを天高く掲げると、高らかに唱えるのであった。
「出でよ、『スクナノヒコ』っ!!」
その宣言に呼応するかのように、この王の間の天井が自動的に開かれたのであった。そして、それはその開かれた空に既にいたのであった。
その姿は、剣神アメノムラクモに瓜二つであるのだった。だが、それに加えて、徹底的に違う物が付属されていたのであった。
それは、背中に生えた翼のようなオブジェクトであるのだった。それを機械で造り上げられているのだから、その造型は巧みの一言に尽きるだろう。
そして、今正にそれが宙を舞っている所から、その翼は断じて飾りなどではなく、れっきとした空を飛ぶ為の推進装置である事を伺えるというものだ。
これが、大邪の大将の翼が駆る神機楼たる『スクナノヒコ』であるのだった。
こうして敵は神機楼を繰り出してきたのだ。それは、最早士郎には後に引けない状況にされたという事なのだ。
ならば、士郎のやる事は一つである。
「ならば、こちらも出でよ! 剣神アメノムラクモ!」
言うと士郎は手に持った刀を天高く掲げる。するとそれに呼応する形で彼の駆る剣の巨躯が出現したのであった。
「これで、お互い後には引けまい」
「そのようだね」
翼と士郎は言い合うと、それぞれ光となって自身の駆る神機楼の中へと取り込まれていったのであった。
◇ ◇ ◇
そして、城の屋外にて二人は互いに神機楼に搭乗した状態で向き合って
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