第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第43話 東戯王TAG FORCE10419
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ながら、唯一月への侵入者と対峙した時に繰り出さなかった『夜の神』を呼び出したのだ。
そして、依姫は手に持った刀を勇美の繰り出した『太陽の砲身』へと向け、宣言する。
「【螺旋「月の波動」】」
その宣言により、依姫の刀から青白い月の力の奔流が、正にドリルのような螺旋を描きながら余す事なく放出される。
その力の向かった先は、黄金の砲台の後部であった。
そして、後部は駆動音を出しながら開いたのだ。月の力をまるで本物の砲弾であるかのように、ごく自然に招き入れたのである。
砲弾の充填部へ流しそうめんのようにシュルシュルと気持ちいい位に吸い込まれていく月の波動。
それらが一頻り吸い込まれていくと、役目を終えたかのように蓋は綺麗に閉じた。
準備は整った。後はその力を遺憾なく発揮するだけである。
勇美は口角を上げ、迷う事なく宣言する。
「いっけえー!! 【日月符「ウルトラエクリプスカノン」】!!」
持ち主の砲撃命令を受けた分身は惜しげもなくその身から、目映く緑色に輝く光と熱の彷徨をぶち蒔けたのだ。
当然天子と衣玖の二人はそれを避けようとした。だが、その光の破壊者には速度まで備わっていたのだ。そして、光は地面に着弾すると大規模なドーム状の爆発を生んだのだった。
その爆発の凄まじさは、爆風により発動者の勇美すら吹き飛ばしてしまうように見えた程である。
「うん……凄すぎるね……」
勇美自身呆気に取られる程であった。それだけ依姫と力を合わせると凄まじい事となるのか。改めて依姫の底力を思い知らされる勇美であった。
使用者本人すら驚くエネルギーの爆ぜも、漸く収まっていった。
そこにあったのは、ダメージを負いつつもまだ余力のある衣玖と、
「……結構堪えるわね」
そう言いながら衣玖の前に立ち塞がりながら彼女を庇い、砲撃の直撃に耐えていた天子の姿であった。
「この攻撃に耐えましたか……」
どこまでこの人は頑丈なんだろう。勇美は頭を掻きながら呆れと称賛の入り混じった複雑な心境となった。
「でも、流れはこちらに向いて来たわよ」
そう言って依姫は勇美を嗜める。
そして彼女は続ける。
「だからここは私に任せなさい」
「どうするのですか?」
依姫の思惑は如何なるものなのかと勇美は聞く。
それに対して、依姫は行動で答えた。
「『天宇受売命』に『風神』よ!」
そう依姫は二柱の神に呼び掛け、その身に降ろす。後はその力の発動だけである。
「【風舞「フェザーダンス」】!」
その宣言と共に依姫は刀を高らかに上に掲げる。すると衣玖の足元で風が舞い上がり始めた。
「っ……!?」
その異変に気付くも、衣玖は身のこなしに優れていないが故にうまく対処が出来なかった。
そして衣玖が手をこまねいている間に、風は強
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