第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第43話 東戯王TAG FORCE10419
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どういう事ですか?」
それを聞いた天子は得意気に説明を始める。
「この緋想の剣の能力。それは相手の資質を見極めるものよ」
「資質を……そうか!」
それを聞いて勇美は合点がいったようであった。
「それで私のマッくんの弱点を見出だしたって訳ですね」
「そういう事よ」
天子は尚も得意気な態度を取る。
それは剣の能力であって天子自身の能力ではない。
にも関わらず彼女が得意気になる理由。それは緋想の剣を自分は使いこなせているという自負からであった。
「あなたが衣玖を狙ったのは的確な判断だったと思うわ。でも、こっちにはより的確な判断を促す手段がある、そういう事よ」
「そっかあ〜」
勇美は感心と口惜しさが混じった心境で呟いた。そして、緋想の剣を使ったその戦法を卑怯だとは思わなかったのだった。
何がなんでも勝つ。その心構えは勇美にも共感出来る事だったからだ。
そこに天子は付け加える。
「そして、これはタッグ戦だって事よ」
「確かに」
天子に諭されるように指摘されて、勇美は納得する。
勇美は動きの早くない衣玖だけを狙えばうまく事を運べると踏んだのだ。だが結果はその間に防御力に秀でた天子にはばかられる事となったのである。
これは一対一の普通の弾幕ごっこでは起こり得ない事柄であった。
「勉強になります」
「いい心構えね。あなたのパートナーも喜ぶでしょうね」
パートナー。今度のその言葉はマックスではなく依姫の事を指していた。天子が最近有名になった勇美や依姫の特性を良く理解している事の現れであろう。
「それじゃあ勉強ついでに、もう一発喰らってね♪」
そう言うと天子は足を踏み込みその場で宙に跳躍した。そして、その状態で緋想の剣を高らかに上へと掲げる。
「一体何をするつもりですか?」
「タッグ戦の醍醐味って奴よ! 衣玖、お願い!」
宙で剣を掲げながら、天子はこの戦いのパートナーの衣玖へと呼び掛ける。
「承知しました、総領娘様♪」
衣玖は大人の女性的な茶目っ気を見せながらウィンクすると、先程のように天に人差し指を掲げる。
すると、案の定雷撃が発生して大気中に閃く。
「!?」
その瞬間勇美は自分の目を疑った。
確かに先程と同じように衣玖の呼応に応じて雷撃は発生したのだ。
問題は行き先であった。その電気の閃きは──天子の持つ緋想の剣へと吸い込まれていったのである。
「一体何を……?」
「見てなさい、私の衣玖との合体技を!」
そう言って天子は雷を綿飴の如く纏った緋想の剣を高らかに掲げ宣言する。
「【大雷「龍使雷鳴剣」】!!」
そして天子は思う存分雷の刃を振り下ろす。
──狙うは満身創痍の鋼の靴である。
「砕けなさーい!」
意気揚々と叫びながら、天子は渾身の一撃をそれに
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