第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第43話 東戯王TAG FORCE10419
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の力から更に借りているんだし」
「ふふっ、それもそうね」
勇美の答えを聞いてどこか弾むような心持ちとなる天子。その最中、彼女は想った。
──やはりこの子は色々と私と合う所が多いと。そして私の見る目は緋想の剣抜きでも狂いはなかったと。
何故ここで緋想の剣が話題に出るのか。それは後々分かる事となる。
ともあれ心に火の付いた天子。ここで畳み掛ける事にしたのだ。
「それじゃあ防御ついでに攻撃に転じさせてもらうわよ♪」
そして天子は踏み込み、剣を横薙にしながらスペルカードを宣言する。
「【透符「守り人の見極め」】!」
その瞬間、緋想の剣が瞬きをするかのように一瞬光った。
「危ないっ、と」
だが間一髪の所で勇美はそれを避ける。
「ふう……」
何とかかわした。そう思う勇美であったが、どこか違和感があったのだ。
その答えは、すぐに天子の口から語られる事となる。
「どうもありがとう。これで分かったわ」
「? 何がですか?」
天子の言いたい事が読めずに勇美は首を傾げる。
その疑問に対して、天子は率直に答える代わりにこう言った。
「衣玖、この子の相棒に電撃、お見舞いしてあげなさい」
「成る程、承知致しました」
天子の指令に衣玖は快く応える。
「?」
対して勇美は首を傾げていた。──相棒とは依姫さんの事だろうかと。
それとも……そう考えを巡らせた勇美はハッとした。
「!? 待って、それはまずい!」
だが、既に時遅しであった。衣玖は人差し指を天に掲げると狙いを定める。
そう、相棒とは勇美の使役する鋼鉄の分身、マックスの事であった。
「お覚悟! 【雷符「エレキテルの龍宮」】!!」
その宣言後、マックス目掛けて一直線に激しく目映い稲妻が貫いたのだ。
破裂音が辺りに響いたかと思うと、マックスは火花をけたたましくぶち蒔けながら狂ったようにガタガタ震えた。
「マッくん!!」
勇美は慌てるも、こうなる事に驚きはしなかった。
何故なら精密機械は電気に弱いのだ。それは勇美が使役する分身かつ、神力で動く規格外のマックスであろうとその宿命から逃れる事は出来なかったのである。
そして『エルメスの靴』の形態を取っていたマックスは維持が困難となってくる。
更に、その状況に追い討ちを掛けるかのように天子は言う。
「これが緋想の剣の能力よ」
「『剣』の……能力?」
その珍妙な表現に勇美は耳を疑った。
「すまんのう……儂は年で耳が遠くてのう、もう一回言ってくれ」
「青臭い小娘が何をほざくか」
ふざけた宣いをする勇美に、天子は手厳しい突っ込みを入れる。
「まあいいわ、もう一度言うわ。今の状況は緋想の剣の能力で編み出したものって事よ」
「うん、やっぱり聞き間違えじゃなかったんですね。一体
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