第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第43話 東戯王TAG FORCE10419
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ね」
「語呂の事は言わないで」
さらりと自分のセンスの事を指摘されて天子は閉口する。
「でもまあ、何だ……」
だが、取り敢えず気を取り直しながら天子は続ける。
「あなた達とてこういう勝負方法は初めてじゃない?」
「あ、確かに二対二は今までやった事はないですね」
天子に指摘されて、勇美も納得して首を縦に振る。
思い返してみれば、阿求の時のようにクイズ形式のものや、慧音の依頼でパフォーマンス的に行った事もある。
だが、二人と二人が同時に戦うのはこれが初の事であった。
「面白そうですね」
故に勇美もこの提案に興味を示したのだ。
「でも、永江さんはよろしいのですか?」
しかし、一つの疑問が勇美にはあった。天子が考えた催し物に自分も巻き込まれてどう思っているのかと。
「ええ、総領娘様が頻繁にこのような事をするのでは問題ですけど、たまにやるのであればよろしいでしょう」
「珍しい地上と月からの客人のおもてなしですしね」と衣玖は付け加えた。
ここで意見は満場一致したようなものである。後は画竜点睛だけだ。
「依姫さんも、これでいいですよね」
「ええ、私も問題ないわ」
案の定最後の一人の依姫も承諾したのだった。
依姫はみだりに変則的なルールを設けるのは、その概念に対する侮辱であり乱暴だと考える。
だが、今回の二対二の発想は既存の弾幕ごっこの規範の延長線上にあるのだ。
全くを以て問題ないだろう。依姫はそう思い、未知なる勝負へ赴く事に胸を踊らせるのだった。
◇ ◇ ◇
そして四人は比那名居邸の敷地内の庭園へ歩を進めていた。
「うわあ……」
そこの光景に勇美は思わず感嘆の声を漏らしていた。
何故なら、地上では余り見掛けない木々が周りに存在し、極め付きはここが天界故に高所に位置する為であった。
故に勇美はまだ行った事のない、海外の山地に行った時の感動はこのようなものなのだろうかと感銘に耽るのだった。
しかし、その感動は後でたっぷりと堪能しようと勇美は思う。今は初めて行う新感覚の弾幕ごっこがメインディッシュなのである。
その提案の張本人である天子が口を開く。
「それじゃあ始めようか」
それに勇美も賛同する。
「はい、お願いします」
こうして『タッグ弾幕ごっこ』の幕は開いたのだった。
そこで勇美は感慨に耽る。
「私、とうとう依姫さんと組めるんですね」
それは彼女が願ってもない事であった。
基本的に一対一で戦う弾幕ごっこだから、まさか憧れの人と組んで戦える機会があるとは夢にも思わなかったのだ。
喜ぶ勇美に、依姫も微笑み返す。
「喜んでもらえて光栄ね」
「それはもう〜! この喜びは今晩のオカズに使えそうですよ〜」
「何か方向性がおかしいわよそれ」
依姫
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