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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第42話 勇美、空へ
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豊姫も屈してはいなかった。
「でも依姫、ノースリーブはフェティシズムをくすぐるものじゃない?」
「まあ、それは否定しませんけど」
 その事は認めた依姫であった。
 そして、依姫は何か空虚な心持ちとなった。何で自分はノースリーブを着ないのに、こんなムキになっているのだと。
 なので、この話題はもう考えないようにしたのだ。
「それでお姉様、そろそろ本題に入りましょう」
「そうね」
 その提案に豊姫も素直に従う事にした。
「勇美ちゃん、天界へは私の能力で送って行くから心配ご無用よ」
「助かります、豊姫さん」
 それを聞いて勇美はこの人の心強さを再認識するのだった。
 この人は雰囲気に反して頼りになるのである。
 まず、月で侵略をされる前敵の正体が分からない状態の時、さすがの依姫にも迷いが生じていたのだ。
 それを豊姫は、ブレる事なく諭して依姫を導いた経緯がある。
 そして、勇美自身彼女と深く話を聞いた事で彼女の懐の広さを感じたのだった。
 そう豊姫に想いを馳せるついでに、勇美は彼女にあるお願いをする。
「ところで豊姫さん」
「何かしら?」
 優しい笑みを浮かべながら豊姫は言う。
「一緒にこの招待状、読んでくれませんか?」
 勇美は未だに衣玖から受け取った招待状を読んでいなかったのだ。その理由は。
「何か天子さんって、聞く所によると、何て言うか『悪い子』のイメージがあるんですよね」
 勇美が聞いた話から判断すると、天子はヒーローよりも悪役を好む性格らしいのだ。故にこう懸念するのだった。
「招待状じゃなくて挑戦状だったらどうしようと思うんですよね。前話のタイトルを『たけしの挑戦状』と聞き間違えてしまったのがありましてね」
「あんなげーむをわだいにもちだしちゃってどうするの?」
「豊姫さん、いいノリですね。でもその場合濁音も一文字としないと」
「それだとこの小説をツールやアプリで縦書きで読んでいる人がいたら読みづらい事この上ないでしょうからね」
「あ、成る程」
「……」
 ネタ発言にメタ発言の応酬。その事実に依姫は……突っ込むのをやめた。

◇ ◇ ◇

 そして天子の招待状を三人一緒に読んだ。そして出た結論は。
「どう見ても、招待状だね」
 そう豊姫は結論付けたようであった。
「そうですね。挑戦状じゃなくて良かったです」
 その事が分かって勇美も胸を撫で降ろした。
「それじゃあ、早速行こうか。私の能力で連れていってあげるからね」
 豊姫は得意気になって言う。この小説でも陰が薄いばかりに、活躍の場が出来て嬉しいのだ。
「あっ、ちょっと待って下さい」
 ところが勇美は、ここで何を思ったのか待ったを掛けた。
「どうしたの勇美ちゃん? もしかして私の数少ない出番を奪うつもり!?」
「はうあ
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