第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第41話 天子の招待状
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依姫と霊夢の激戦から暫しの時が経ってから。勇美と依姫は永遠亭の休憩室でその事を話題に話をしていた。
「いやあ、あの時の依姫さんと霊夢さんは凄かったですよ」
勇美はその時の様子を今でも鮮明に思い出すのだ。それだけあの時の勝負は観ている方も手に汗握るものがあったのである。
だが、次に依姫が言う事は勇美にとって思いもよらない事だった。
「ええ。でもあの子、また努力してなかったようね……」
「えっ!?」
事も無げにさらりと言う依姫に、勇美は面喰らってしまった。
「でも依姫さん、あの戦い、とても接戦だったじゃないですか!?」
依姫の判断を飲み込めず、勇美は思わず食い下がる。自分の事でもないにも関わらず。
それに対して依姫は冷静に言う。
「あの子の潜在能力はあんなものではないわ。あの戦いでよく分かったわ」
「……」
勇美は唖然としてしまう。あれ程の戦いを見せた霊夢が、努力すれば更に上へ行くというのだろうか。
ぞくっ。その瞬間勇美は背筋に寒気を覚えるのだった。──彼女は決して敵に回してはいけないと。
だが、それと同時に勇美は感慨深くなるのであった。その理由は。
「でも、霊夢さんってそんな恐ろしい存在なのに、多くの人妖を惹き付けているなんて不思議ですよね」
それには依姫も同意見であった。
「勇美の言う通りね。あの子には、私にも無い何かがあるのね」
そんな話に華を咲かせる二人であった。
◇ ◇ ◇
そして、それと同じ日に永遠亭に来客があった。
「ごめんください」
誰だろう? 勇美は思うが、これだけは譲れなかった。
「早苗さんだったらお引き取り願いたいですね……」
そう、勇美の早苗に対する苦手意識は消えてはいなかったのだ。あれから頻度は減ったものの、人里で会うと相も変わらず危ないアプローチを受けるのだった。
「安心しなさい勇美、どうやら違うようだから」
そう言って依姫は微笑むと、その答えは直ぐに分かるのだった。
「あら、あなたは永江衣玖さんね。これまた珍しい来客ね」
と、応対を行った永琳が言った。
「『ながえいく』さん?」
聞き慣れない名前に、勇美は首を傾げた。一体何者なのだろうと。
「ああ、彼女ね」
依姫の方は認識があるようであった。一人頷く。
「依姫さん、ご存知なんですか?」
「ええ、話に聞いた事はあるわ──」
そう二人が話している内に、当の永江衣玖は永琳に案内されて彼女達の元へやって来たのだった。
「衣玖さん、勇美ちゃんと依姫はこの二人よ」
「ありがとう永琳さん。感謝しますわ」
「それじゃあね。何かあったら言ってね」
やって来た二人はそう言い合うと、永琳はその場から去っていったのだった。
そして、後に残った者を勇美は見据える。
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