第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第40話 月の巫女と楽園の巫女:後編
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ら余裕の態度で返す。そう、月での三回戦目のような気分で。
だが、それでも霊夢は落ち着いていた。
「でも、私はレミリアとは一味違うわよ」
「?」
何を言っているのだろう。依姫はそう思いつつも弾幕の回避に専念する。
と、ここで霊夢の眼差しが閃光のように瞬く。
「そこっ! エクスターミネーション!!」
技名を叫ぶと霊夢は無数の針をマシンガンの如く依姫目掛けて発射した。
「っ!!」
依姫はそれすらも容易く避けるだろうと思われた。だが、針の攻撃は彼女に命中したのだった。
「くうっ……」
攻撃を貰ってしまった依姫は思わず呻いた。
「うそ……、依姫さんが攻撃を受けた……?」
如何なる時も、依姫はのらりくらりと相手の攻撃をかわして来たのを勇美は見ているのだ。
そんな依姫が攻撃を受けた事が勇美には意外であった。
だが、一番驚いていたのは依姫の方である。
「まさか、私が攻撃を貰うなんてね……」
「驚きついでに、もう一回喰らいなさい!」
そう言って霊夢は再び手を構える。
「エクスターミネーション!」
再度霊夢の両手から針がばら蒔かれ、依姫を襲う。だが依姫は今度は冷静にそれを見据えていた。
「……私が月で見せた事、忘れたのかしら?」
そして依姫は口角を上げながら神を降ろしスペル宣言をする。
「【金符「解体鋼処」】……」
金山彦命のその身に借りた宣言の後、一気に依姫に向けて放たれた針の群れは粉砕されてしまった。
「……っ!」
それを見て霊夢は驚愕する。その様子を見据えながら依姫は続ける。
「そして金山彦命よ、あの針を再び生み出し持ち主に返しなさい」
言って依姫は霊夢に向けて刀を翳し、金属の神に指示を下した。
すると、みるみるうちに鉄の針は元の形に再構築される。──但し例の如く切っ先を相手に向ける形で。
「行きなさい、鋼の使い達よ!」
そして依姫はその身を惜しまない鉄の兵団に攻撃命令を送る。
それに伴い、針の群れは飼い主に牙を向くべく一気に放出された。
「くっ……やっぱりこれは厄介ね……」
そう愚痴りながら霊夢は苦虫を噛んだかのような表情を見せる──と思われたが。
「な〜んてね……♪」
一転して晴れやかな表情へと変貌させながら言うのだった。
「貴方、どういう……」
その様子の真意を掴めない依姫は戸惑いの念を見せる。
「あんたこそ忘れてない?」
言って霊夢はそこではっきりと宣言した。
「金山彦命、もう一回あれを砂に返して!」
その言葉を受け、金属神は先程とは別の主の支持に従い、霊夢に向かっていた針を再び分解したのだった。
「!」
「私も神降ろしを使ったまでよ。驚く事はないでしょ♪」
確かに依姫は神降ろしを使えるが、それは彼女の専売特許ではなく、加えて神
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