第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第40話 月の巫女と楽園の巫女:後編
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祇園様の加護による膂力を受けた依姫の一薙ぎによる剣圧の直撃を受けた霊夢だが、彼女は無傷であったのだ。
今彼女はその種明かしをする。
「【夢符「二重結界」】……」
そう、霊夢は依姫の攻撃が当たる瞬間に、結界による防壁をはっていたのだった。
これが幻想郷を外界から隠す『博麗大結界』を管理する霊夢が故の、彼女の十八番なのである。
「やるわね」
依姫は口角を吊り上げて霊夢を見据える。
「まあね、回避はあんたの専売特許じゃないって事よ」
対して霊夢も得意気に返した。
「それじゃあ、今度は私から行かせてもらうわ!」
言って霊夢は次なるスペルカードを取り出し構える。
その様子を見ていた勇美は、思わず見とれてしまった。理由はと言うと。
「あ、何ていい腋の眺め何だろう」
という不純なものであった。
確かに勇美は以前、霊夢のスタンダードな巫女装束に不満を持ったが故に依姫に正統な巫女装束を着せた訳であるが。
これはこれで旨味があるというものである。ヒラヒラしたノースリーブの紅服と白い別途装備の袖の間から覗く、余り見せてはいけない肌の部分の眺めは格別なのであった。
「あいつ、どこ見てるのよ……」
この勝負が終わったら少し注意しておこうと霊夢は思うのであった。
それはさておき、霊夢はスペルカードを繰り出した。
「【霊符「夢想封印」】!」
その宣言の後、霊夢の両手から無数の七色の玉が辺りに現出する。
そして、一頻り宙を漂っていたそれらは、まるで意思を持ったかのように、郡体を構成した生物であるかのように依姫に飛び掛かっていったのだ。
見事な統率により依姫の周りを取り囲んだそれらは、意を決したかのように次々とその場で爆ぜていった。
「綺麗……」
思わず勇美は感嘆の言葉を口ずさんだ。
それも当然であろう。何せその夢想封印が描く光景は、さながら虹色の花火のようであったからだ。これぞ博麗霊夢の張る弾幕の代名詞なのである。
「これは腋の次に美しいですな〜」
だが、勇美の煩悩を完全に打ち消すまでには至らなかったようだ。夢想を封印するという仏道的なネーミングの技であったが勇美の夢想は祓えなかったのは皮肉である。
「見事ね。でも私と神の力を捉えるには足りないわね」
言うと依姫は天宇受売命に念を送りそれをその身に降ろす。
「【踊符「最古の巫女の舞踏」】」
舞踊の女神の天宇受売命の力を宿した依姫は、正に踊るように虹色の爆陣を潜り抜けていったのだった。
同時に現代の巫女に古代の巫女の底力を見せ付けるという、依姫の気の利いた計らいでもあったのだ。
「やるわね」
それを見据えながら霊夢は呟く。だがその表情は曇ってはいなかった。
「これ位天宇受売命の力の前では朝飯前ですよ」
依姫は攻撃をかわしなが
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