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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第39話 月の巫女と楽園の巫女:前編
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」】!」
 宣言後、霊夢の手から次々と勾玉を二つ上下逆に組み合わせたような紅白の模様の玉が放たれた。
「甘いわね」
 だが依姫はそれを手に持った刀で、ハエ叩きのような手つきで斬り落としていったのだった。彼女もまたスペルカード無しで相手の攻撃をいなしたのだ。
「やっぱり、あんたやるわね……」
 そう宙で毒づく霊夢。やはり彼女が相手だと普段の妖怪退治のように柔順に済みはしないようだと。
「でも、これならどう?」
 言って霊夢は次のスペルカードを出そうとする。
「【宝具「陰陽鬼神玉」】!」
 すると、霊夢の手から先程の陰陽玉が一つだけ投げられた。
 だが、先程までとは違い、それが空中でみるみる内に巨大化していったのだ。
 そして気付けばそれは元の10倍程のサイズになっていた。
 そのような状態で容赦なく重力に任せて依姫に迫っていた。
「このサイズならあんたでも切り払うのは難しいんじゃない?」
 自分の優位を感じて強気で言う霊夢。
 だが、余裕の態度であったのは依姫も同じであった。
「確かに難しいわね。──私だけの力ではね」
「!?」
 依姫の言葉に訝る霊夢。そして彼女の勘が自分の流れが狂った事を告げた。
 そして、依姫は霊夢の勘が告げた事を実行する。
「【力符「荒ぶる神の膂力」】……」
 依姫は祇園様の力を借りると静かにそう呟く。そして彼女の周りにオーラのようなものが立ち込める。
 そして、事は一瞬にして起こっていた。依姫の刀の一閃が、ぶれる事なく的確に、多大な質量を持って迫っていた凶玉を真っ二つに寸断していたのだ。
 二つに割れた宝玉は、それぞれ重力に引かれる形で地面に突撃すると、激しい震動と音を出してめり込んだ。
「あわわ……」
 それを縁側で見ていた勇美は腰を抜かしかけていた。自分の間近でそのようなえげつない現象が起こっては無理もないだろう。
 そして、勇美よりも意表を付かれてしまったのは霊夢である。何せ渾身の宝玉攻撃が軽くいなされてしまったからだ。
「何か面白くないわね……」
 そう霊夢は愚痴る。だがそれは月で依姫と戦った時と違って、この戦いに意欲を出している事の裏付けでもあった。
「あら、意外にアツくなっているのね」
 その事を察して依姫は挑発的に言った。
「まあ、誰かさんのせいでね」
 それに対して霊夢も満更ではなさそうに振る舞う。
「その様子なら、私は押しに掛かっても問題ないわね」
 そう言って依姫は祇園様により膂力を得た状態のまま刀を一旦鞘に閉まった。
 そして腰を落とし、踏み込みを入れる。
「はっ!」
 その状態から依姫は居合いの要領で刀を一気に振り抜いた。
 そこから凄まじい剣圧が打ち放たれ、上空の霊夢目掛けて飛び掛かったのだ。
 先日の勇美との戦いで早苗はスペルカー
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