第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第38話 外界っ子バトル:後編
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打つ手はなくなるのだった。
ここに黒銀勇美と東風谷早苗の二人の弾幕ごっこは、早苗の勝利という事で決着がついたのである。
だが、勇美には一つ、腑に落ちない事があったのだ。
「早苗さん、最後にいいですか?」
「何ですか?」
「あなたは何でそんな馬鹿でかい剣を扱えるのですか? とても人間の扱えるような代物には見えないのですが」
それが勇美が言いたい事であった。
勇美は今まで非力な人間としての制約の中で戦って来たのだ。自分自身が重装備をしなくてもいい戦法を取っていたのである。
そんな中、現人神とは言え人間の早苗の剣捌きっぷりには開いた口が開かなかったのだ。
まるでゲームの登場人物がするような攻撃っぷりには、そういうのに憧れている勇美には納得いかないのであった。
「ああ、これですね」
そう言って早苗は先程のように祓い棒を瞬時に大剣に変えて見せる。
そして、それをおもむろに勇美に渡す。
「取り敢えず、受け取ってみて下さい」
「って、こんなでかいのを……って、あれ?」
自分にこれから起こるだろう惨劇を予想していた勇美は違和感を覚える。
「すごく……軽いです……」
「軽いのはいいからさ……じゃなくて」
勇美に『くそみそ』な台詞への誘惑を断ち切り、早苗は続ける。
「この剣、張りぼての、中身は空洞なんですよね。要は風の攻撃を放つ為の媒体って事です」
「はあ……」
その瞬間勇美は、試しに伊達から触らせてもらった仮面ライダーバースの武装が実は反動が物凄かった事を知った後藤とは逆のような状況にやるせない気持ちを抱くしかなかったのだった。
「色々突っ込みたい事はありますけど、取り敢えず、それなら良し!」
◇ ◇ ◇
「う〜、ドッグフードで『アブソリュート・リヴァイアサン』さえ召喚出来ていれば〜☆」
すねたように唸る勇美。その様子を見ながら早苗は「やっぱりこの子可愛い。エサあげたい」と危険なオーラを撒き散らしながら思うのだった。
「それにしても、ドッグフードでリヴァイアサンを呼ぶって何だい?」
リヴァイアサンとは陸のベヒーモスと対峙すり伝説上の巨大な海竜である。それを犬のエサで手なずける等という理不尽極まりなさに神奈子は頭を抱えた。
「私ならドッグフード大歓迎だよ〜」
「諏訪子、お前蛙神やめろ」
「あ〜う〜☆」
と、二柱はやんややんやと言い合い始めたのだ。
「天と地を司る神お二方は仲が宜しいようですね」
そんなやり取りをする二柱に、微笑ましい気分になり茶化す依姫。
「お前もふざけんな」
それに対して神奈子はキツい突っ込みを入れるが、満更でもないようで少し頬を赤らめていた。
但し、神ともあろう相方がドッグフードに魅せられる事は断じて認めてはいなかったが。
続いて依姫は話す相
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