第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第38話 外界っ子バトル:後編
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発が当てられ、更なる大規模な爆発が巻き起こる。
膨大な熱量の爆ぜと振動と風圧が辺りに発生する。
そして、さすがの化け物烏賊のロボットもものの見事に爆散してしまったのだった。空中で金属の部品の数々が四散する。
「くそぅ〜」
自らの自信作が吹き飛ばされて歯噛みする勇美。だが、彼女はすぐに気を取り直して次なる手を打とうとする。
「まだだよ! このドッグフードを供物にして『アブソリュート・リヴァイアサン』を……」
「させませんよ!」
勇美を遮るように早苗は言うと、手に持った祓い棒を上空目掛けて投げつける。
そして、それは重力という万有の法則に従い下に戻って来て再び早苗の手に握られた。
「何ですかそれ?」
思わず勇美が言う。その言葉が示す通り、早苗の手に握られていたのは元の祓い棒ではなかったのだ。
それは両手で扱うような見事な大剣なのであった。
早苗はその大剣を使い慣れたように軽々と二三度素振りをしてみせる。
「な、何か反則ですよそれ……」
「問答無用です」
勇美の呻きも早苗は容赦なく切り捨て、スペル宣言という名の宣告を行う。
「【奇跡大剣断「アンビリバ棒・カッター」】!!」
「それ、棒の範疇を越えています」という勇美の心の叫びは届く事なく、早苗は行動した。
彼女はその大剣を目一杯後ろに振り被ると、一気に前方に振り下ろしたのだ。
すると、大剣から鋭く分厚い風のエネルギーの刃が放出される。
そして、それはギュウンと風を切る重厚な音を出しながら前進し、勇美の扱う化け物鏡を綺麗に突き抜けたのだった。
それは一瞬の事で、勇美は今の状況の把握に遅れる。
「あれ、何も起こらないじゃないですか?」
勇美は本当にそう思ってしまう程に事は抜かりなく進んだのだ。
だが、彼女はすぐに異変に気付く事となる。先程まで第四の怪物を産み出そうと光輝いていた鏡面がひっそりとなりを潜めてしまっていたのである。
そして、それは一瞬にして起こった。──大鏡が真っ二つに寸断されてしまったのだ。それはもう、機械のように精密に計算されたかのように。
寸断された鏡は爆発を起こして砕け散ってしまった。辺りにぶちまけられる金属片と鏡の破片。
「どうしますか? まだ続けますか?」
憮然とした態度で問い掛けて来る早苗。それに対して勇美の答えは決まっていた。
「いいえ、私の負けですね」
きっぱりと勇美は言い切ったのだ。
鏡を破壊されても、勇美の分身は変幻自在である筈だからまだ続けられるように思われた。
しかし、この『ミラーオブライト』は一度造り出せば供物を捧げる度に次々と怪物を生成出来る便利な代物であるのだが──造り出すには膨大な霊的エネルギーを消費するのだ。
故に鏡の生成に力を殆ど使う為、それを破壊されてはもはや
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