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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第38話 外界っ子バトル:後編
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 かつて早苗は外の世界では現人神である事があり万能であったのだ。
 だが、幻想郷では今までの自分の常識が通じずに負けてしまった。
 その事は少なからず彼女の心にとげを刺すような感覚を植え付けてしまったのだ。
 しかし、彼女は今ではふっ切れて幻想郷でうまくやっている。
 だが、彼女にもプライドというものがあるのだ。幻想郷でこうも負けてばかりはいられないというものだ。
 早苗も勇美が負けを嫌う事は知っている。しかし、当の自分も負けたくはないのである。
 そこまで想いを馳せた所で、早苗はキッと目を見開いた。そして体勢を整えて今倒すべき烏賊の化け物を鋭く見据える。
 そこで勇美が言葉を発する。
「ハイクラーケン、この調子でどんどん攻めちゃいなさい!」
 興が乗っている勇美は、意気揚々と倒すべき相手に指差し、鉄の烏賊に促した。
 そして、彼から連続して無数の触手攻撃が繰り出される。
 それをそつなく回避しながら早苗は強い眼差しを讃えながら言う。
「勇美さん、余り調子に乗らない事ですよ」
 一頻り触手の猛攻を回避した早苗は、ハイクラーケンから距離を置く。
「あなた、油断しましたね? よく自分の僕の周りをよく見て下さいね」
「……!?」
 早苗に言われて勇美がハイクラーケンを確認すると、彼女はハッとなった。
 見れば、彼の周りには纏わりつくかのように霧状の蛇が巻き付けられていたのだ。
「いつの間に……」
「あなたが触手での攻撃に気を取られている隙にスカイサーペントを送り込んでいたんですよ」
「くっ、でもハイクラーケンならこの程度のもの、触手で全部振り払って見せるよ!」
「確かにその子なら可能でしょうね」
「でも私がそれをさせませんよ!」そう言って早苗は三度おみくじ爆弾の筒を取り出す。
「またそれですか!」
 勇美はこの戦いでそれを早苗の厄介極まりない火力だと認識している。だが、ここで彼女は強気に出る。
「でも、それでこのハイクラーケンを落とせますか?」
 確かに先駆の鉄の魚人と飛び魚はあの爆弾に落とされた。
 しかし、今度のこの鉄烏賊は規模が違う分、装甲も伊達ではないのだ。単なる木偶の坊ではないのである。
「確かにこのおみくじ爆弾単体では無理かも知れませんね。でも霧って何で出来ているか知っていますか?」
「何って……はっ!」
 勇美は答えようとして気付いた。
 答えは『水』。そして水を高温に晒すとどうなるか。
「気付いたようですね、では」
 言って早苗は思い切り筒を振るうと、一気に数発のおみくじ爆弾を射出したのだった。
 そして、弾がハイクラーケンに一頻り接触した瞬間、早苗はスペルを宣言する。
「爆ぜなさい、【空爆「エアバースト」】!!」
 そう、先程の答えは『水蒸気爆発』である。水分に高温の爆
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