第三部
主義主張 9
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
攻略するのか。
実を言うと、そこはあまり問題ではない。
魔術師の異能は【魔晄】を消費して使うものなので魔晄が尽きるまで粘れば良いのだ。
(これが地上戦限定だったら佐々木にも勝ち目が有ったろう。どっちみち今からの攻撃は簡単に回避できないけど)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
紫闇の両手が地上に向く。
手の平は光を放っていた。
背中に有る黒いウイングも同じく光る。
「じゃあ行くか。お前の魔晄が切れたら終わりだから頑張ってくれよ」
紫闇の手と羽は輝きを増す。
「【雷鳴光翼/ケリードーン】」
光が弾け殺到する。
狙うは佐々木青獅とその周辺。
掌からばら撒かれた無数の光は散弾銃とマシンガンを足したような驟雨となった。
鋼の黒翼から迸る大量の光はミサイルポッドから発射される弾頭のように輝く煙尾の残光を引きながら青獅を追尾する。
《クリス・ネバーエンド》のお株を奪うような手数だが火力は彼女に及ばない。
しかし青獅に対しては能力の性質上、紫闇が攻撃する方が合っている。
クリスの攻撃は基本的に熱が乗っており、それは青獅にとって最高の相性。
彼女の場合、異能の破壊による異能の無効は出来ても熱と熱エネルギーの操作・支配で対応されてしまうのでダメージは与えられない。
接近戦をすることになる。
しかし紫闇の雷鳴光翼はパワーとスピードは有れど熱が無く、物理を無視して飛ぶ。
(どんなに動いても躱し切れない程の広範囲攻撃を続けて魔晄を削り取るつもりか!)
青獅は三つの異能を同時に使いながら戦っているので大量の魔晄が物凄い早さで減っていくことを避けられない。
対して雷鳴光翼は【超能力】
使用する為の制限も無かった。
性能は使い手次第。
このまま続ければどちらが勝つかなど誰から見ても解りきっている。
それでも二人は止めない。
どちらかが倒れる時。
または【古神旧印】が相手に渡って決着だと思っているから。
何時か見た光。
それが青獅の胸に有る。
紫闇は吸い寄せられた。
空から一直線に向かう。
手を伸ばす。
青獅が吹き飛ぶ。
「母さん。ぼくは……」
仰向けに転がる。
「強く、なったよ」
しかし立ち上がった。
「おい勘弁してくれよ……」
紫闇に余裕は無い。
戦闘でのダメージが過剰に蓄積している上に力を使い過ぎたようだ。
そんな紫闇の前で青獅が止まる。
「佐々木お前」
彼は意識が無かった。
拳を握っての仁王立ち。
青獅の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ