第一章
[2]次話
アナグマトミーのお話U
狐どんと穴熊のトミーはとても仲が悪いです。
それで今も道ですれ違った時にお互いのつんと顔を背け合って通り過ぎますが犬のダッチェスはその様子を見て後でトミーのお家に来て言いました。
「君達の仲のことは知っているけれど」
「とても悪いとだね」
「うん、けれど少しはね」
「仲良くすべきっていうのかな」
「そうしたらどうかな」
こうトミーに言うのでした。
「本当に」
「そう言うけれどね、わしと彼はね」
どうしてもとです、トミーはダッチェスに言いました。
「もうこれ以上はないまでにだよ」
「相性が悪いというんだね」
「そうだよ、その仲の悪さたるやね」
「それが僕も知ってるよ」
ダッチェスは不機嫌そうなお顔になって語るトミーに機先を制する様にしてお話しました。
「もうね」
「そうだね、この森でも一番だね」
「僕は基本飼われていてお家から森を見ているけれどね」
「それでもだね」
「君達のことはわかるよ、しかしね」
「それでもだというのだね」
「そう、本当にね」
ダッチェスはトミーにお友達としてお話しました。
「少しは仲良くした方がいいよ、やっぱり仲が悪いよりね」
「いい方が苦労しないね」
「敵がいるとそれだけで苦労するからね」
どうしてもというのです。
「僕も間に入るから今度一緒に飲んでみたらどうかな」
「お酒かい?だったら」
お酒の話を聞くとトミーはそれならと応えました、実はトミーはお酒には目がないのです。
「乗ったよ」
「よし、じゃあ狐どんと三人でね」
「今度飲むか」
「狐どんには僕からお話しておくからね」
ダッチェスは狐どんともお友達です、今回は二匹の共通のお友達として考えてでのことなのです。
ダッチェスはトミーと狐どんを森の居酒屋に呼んでそこで同じテーブルに着いて飲むことになりました。
ダッチェスが間に入って二匹は向かい合いましたが。
お互いお顔を背け合っています、そうしてお互いにはお話をしないでダッチェスとだけお話をします。ダッチェスは二匹と一緒にウイスキーを飲んで干し肉を食べながらそのうえで言うのでした。
「あの、もっとお互いに」
「あんたとはお話するよ」
「こうしてね」
「しかしこいつと話すものがあるか」
「一切ないんだよ」
こうダッチェスに言うのでした、そして。
二匹も飲んで干し肉を食べますがお互いはつーーーんとしたままでした、そうして三匹とももうこれ以上は駄目だという位飲んでです。
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