とある自由惑星同盟転生者の話 その1
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さり引いて逃げられたのだという。
その話を聞いて、原作では語られて無かったが、あのような実力者もいたんだなと改めて思わされた。
それとも、あの分艦隊の指揮官は原作キャラの誰かだったのか?
うーん、わからん。
* * *
いよいよ、第六次イゼルローン要塞攻防戦が始まる。
俺の所属するワイトル分艦隊は、前哨戦が終了しての再編の結果2000隻に増強された。
つまり、あの『小賢しい敵』の突撃でユースタス少将が戦死し、残存艦艇を他の分艦隊で三等分したということだ。
この第六次イゼルローン要塞攻防戦は、同盟軍は帝国軍と互角に渡り合うもののラインハルト一人に翻弄され、結局トールハンマーをくらって敗北する。
原作を読む限り、同盟軍に行動は最後のラインハルト艦隊へと追撃を除いて特に問題ないように思える。
ならば、俺のすべきことは最後のトールハンマーによる被害をどれだけ減らすことができるかだ。
もっとも一大佐に過ぎない俺が影響力を及ぼせるのは、このワイトル分艦隊の中だけ。
せめてこの艦隊だけでも無事に救いたいものだ。
・・・・・
これまでに、俺が聞いた報告をまとめると以下のようになる。
1.ホーランドの奇襲部隊が撃破され、総司令部が襲撃される。
2.帝国軍部隊が突出し出し、同盟軍が予備兵力を投入し混戦状態へ。
3.ローゼンリッターが帝国艦を次々に襲撃。
4.消耗戦に陥る。
5.ホーランドが柔軟で機動性を極めた艦隊運動で活躍。
6.同盟軍で撤退の意見が主流になる。
7.イゼルローン要塞を出撃した2000隻ほどの艦隊が同盟軍の後背に出て退路を断つ動きをみせる。
8.同盟軍、2000隻の艦隊を30000隻で追撃。
報告を聞く限り、第六次イゼルローン要塞攻防戦は原作と同様の展開のようだな。
このままだと危ない!
「撃て撃て、あの小艦隊を逃すな!」
「閣下、ダメです。後退しましょう」
「何故だ?」
「たった2000隻を30000隻で無秩序に追いかけるのは無意味です。それに、見てくださいイゼルローン要塞を」
「ん……なっ!!」
「このままではトールハンマーの射程内に引き込まれます」
「しかし、この流れでは後退など……」
「艦隊の針路を斜め左にとり、この流れから徐々に抜け出すのです。そして……」
「トールハンマーが!!」
やばい、閣下……ダメだ硬直している。
なら俺が―――
「全部隊、回廊の天頂方向に急速上昇!天井に張り付けー!」
直後、トールハンマーが放たれた。
光が同盟軍の艦艇を呑み込んでいく。
よし、この艦隊は無事だ。
他の艦隊は……酷いことになっているな。
「第二射きます!」
「総司令部
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