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ドリトル先生の競馬
第十二幕その六

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 先生は皆と一緒に王子のお家ですき焼きを食べることになりました、そのことを王子と約束したうえで。
 先生はお家に帰りました、するとです。
 動物の皆は先生にこう言いました。
「馬の次は牛だね」
「今度は食べるけれど」
「そうなるね」
「やっぱり先生は生きものに縁があるね」
「うん、そういえば王子に日本に来ることを勧められた時も」
 先生はこの時のことも思い出しつつ応えました。
「すき焼きをご馳走になったね」
「そういえばそうなんだよね」
「王子からすき焼きをご馳走になって」
「それからだったね」
「そう思うと縁だね」
「これもまた」
「そう、だから」
 それでと言うのでした。
「今縁を感じているよ」
「そうだよね」
「先生とすき焼きって縁あるね」
「それもいい縁がね」
「ひょっとして今回もかな」
「何か縁があるから」
「面白い縁が」
 皆で先生に言います。
「それじゃあね」
「その縁にも期待して」
「そうしてだね」
「王子のお家に行きましょう」
「その時は」
「そうしましょう」
「縁は誰が結んでくれているのか」
 ここで王子が言ってきました。
「戦士絵はそのことも言われてますね」
「うん、それはね」
「神様ですね」
「そうだよ、人の力なんて僅かなもので」
「出会いもですね」
「非常に偶然の出会いが多いけれど」
「その出会いはですね」
 トミーは王子に応えて言いました。
「その全ては」
「神様の御業でね」
「僕と先生が出会えたことも」
「そうだよ、僕は神様にね」
 先生はとても暖かい目でお話しました。
「トミーにも王子にも皆にもね」
「会えたんですね」
「全てはね」
 こう言うのでした。
「このことがどれだけ有り難いか」
「そうそう、僕達だってね」
「先生と会えたのはね」
「神様がそうしてくれたよ」
「このことがどれだけ有り難いか」
「本当に素晴らしいことだよ」
「そうだね、僕はね」
 まさにと言う先生でした。
「神様に全て会わせてもらったんだよ」
「そうだよね」
「若しもね」
「神様がおられないなら」
「僕達は先生に会えなかったし」
「こうして一緒にいられなかったよ」
「全くだよ、若しも」
 また言う先生でした。
「神様がおられないと」
「僕達はそれぞれ出会っていなくて」
「一緒にいないわよ」
「これまでの色々な旅もなくて」
「勿論日本にも来ていないわよ」
「日本は」
 この国のこともです、先生は言いました。
「神様が導いてくれたんだよ」
「この素敵な国にね」
「先生を招いてくれたんだね」
「王子を通じて」
「すき焼きを通じて」
「そうだろうね、日本に来て」
 先生は心から言いました。
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