暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の競馬
第十二幕その二

[8]前話 [2]次話
「そうさせてもらっているよ」
「そうよね」
「じゃあ今年の秋もね」
「先生は読書の秋で」
「和歌も楽しむ」
「そうしていくのね」
「そのつもりだよ、僕の秋は」
 日本でのそれはといいますと。
「読書と芸術、そして食欲だね」
「文化だね」
「先生の秋は」
「先生はいつも文化的だけれど」
「秋になってもだね」
「そうだよ、博物館にも美術館にも行って」
 そうしてというのです。
「楽しむよ」
「そうするよね」
「そうした場所にも行って」
「それで楽しむんだね」
「そう考えているよ」
 先生は皆に笑顔で答えました、そうしつつ皆で秋のキャンバスの中を歩いていますと乗馬場に来ました。
 するとそこに大学の乗馬部の人達だけでなく高等部の人達も馬に乗って楽しんでいました。その中で。
 ふとです、先生はホフマン君を見て彼の乗っている馬も見て言いました。
「またね」
「あっ、太ったね」
「競技が終わってからね」
「どうもね」
「そうなってきたね」
「競技の時は引き締まっていたのが」
 それがというのです。
「また太ってきたね」
「脂肪がついてきた?」
「筋肉はそのままで」
「夏の時以上に」
「そうなってきたね」
「天高く馬肥える秋」
 先生はこの言葉も出しました。
「その言葉通りだね」
「秋はお馬さんも食べるし」
「僕達もそうだし」
「それで食べて」
「しかも競技も終わったし」
「走ることも減ったから」
「それでかな」
「そうみたいだね、けれどいい太り方だね」
 先生はホフマン君が乗っている馬を見て言いました。
「ああした太り方はね」
「いいよね」
「適度に脂肪がついた感じは」
「それは」
「そうだよ、健康的な太り方で」
 それでというのです。
「冬の寒さにもね」
「いいんだね」
「だから先生も心配していないね」
「そうだね」
「全くね、不健康な太り方はよくないけれど」
 それでもというのです。
「健康的な太り方だとね」
「いいよね」
「そういうことだね」
「まさに」
「他のお馬さん達もそうだし」
「全く以ていいよ」
 先生は皆に応えつつでした、そのうえで。
 皆と一緒にホフマン君のところに行きました、そうしてホフマン君に挨拶をしてお話をはじめました。するとホフマン君は先生にこう言いました。
「もう競技が終わって」
「それでだね」
「はい、馬達は沢山食べて」
「練習もだね」
「減りました、それでです」
「脂肪がついてきたね」
「冬の寒さも」
 ホフマン君は先生に笑顔でお話しました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ