暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
最終節「かばんの隠し事」
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ため、既に解放された。

俺の異動先はF.I.S.の附属機関、『NEXT』。
所長のオズワルドは友人だ。食えない奴だが、信頼は出来る。気楽にやっていくさ。

そして今、俺は日本に来ている。
国連の保護観察対象となったあいつらに任された仕事だ。

もうF.I.S.じゃなくなっても、俺をわざわざ指名するとは。
まったく……言われなくても、患者の面倒は最後まで見てやるとも。それが俺の、医者としての役目だからな。

さて、土産にプリンでも買って行ってやるかな。
ほう……焼きプリン、ね。一人で食うのは、あの子のメンタルにも悪影響だ。俺の分も買って行くことにしよう。

ff

「敢えてグレーを含ませる事で、米国の思惑を封殺するとは。貴方らしいやり方ですね、斯波田事務次官」

とある蕎麦屋の一席にて、九皐は向かいの席に座る斯波田を見ながら、天ぷらに齧り付いた。

「へっ、トワリよりもニハチの方が喉ごしがいいってもんだ」
「ハハハ、仰る通りで」

ひと仕事終えた達成感を口元に浮かべ、斯波田はざる蕎麦を啜る。

「しかし、まだ問題は残ってる。死んだ筈の天羽奏についてだ」
「その辺は八紘兄貴と二課情報部が上手くやってくれるでしょうが、社会復帰までとなると時間は掛かるでしょうね……」

九皐は自分の蕎麦を啜ると、どうしたものか、と呟いた。

「昔のアニメよろしく、極秘でリハビリしてたって事で行けると思います?」
「う〜ん……まあ、そいつもニハチってとこだろうよ」
「どっちが八で、どっちか二なんです?」
「さあな。せいぜい、混ぜたうどんに気付かれないよう、頑張るこった」
「八紘兄貴達にもそう伝えておきますよ」

そう言って九皐は、半分ほど減った蕎麦の上に七味を振りかけた。

政治の世界をこそ戦場とする防人達は、今日も何処かで戦い続けている……。

ff

そして同じ頃、リディアン音楽院。

「翼さーんッ! クリスちゃーんッ!」

今日の授業は午前のみ。響は未来と共に、校門の前で待つ翼とクリスの元へ駆け寄る。

「聞いてくれ立花。あれ以来、雪音は私のことを先輩と呼んでくれないのだ……」
「──だからァッ!」
「なになにー? クリスちゃんてば、翼さんの事、先輩って呼んでるの〜?」
「ちょっと響ったら──」

頬を赤らめるクリスの顔を、響はニヤニヤしながら覗き込む。
そして未来の心配通り、クリスは眉をピクピクさせながら響に掴みかかった。

「いい機会だから教えてやる……ッ! あたしはお前より年上で先輩だってことをーッ!」
「「はぁ……」」
「もってけダブルだッ!」

呆れて溜め息を吐く翼と未来。
そこへ、翔と純、ついてきた恭一郎も合流する。

「えっと……これはい
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